佐伯 慎亮

2017-01-26
外部の展覧会情報 17年2月

ttkとご縁のあった作家・ディレクターによる、ttk外での展覧会情報をお知らせいたします。

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一昨年1月~3月にttkにて開催しました「OBJECTS IN MIRROR~」展の出品作家佐伯 慎亮さんが、大阪・心斎橋のFUKUGAN GALLERYにて個展を開催いたします。

佐伯 慎亮「リバーサイド」

会期:2017年2月18日(土)~2月26日(火) 会期中無休
開廊時間:14:00~20:00 (20日(月)のみ17:00まで)
会場:FUKUGAN GALLERY (542-0086 大阪市中央区西心斎橋1-9-20 4F TEL:06-6253-3266)

http://fukugan.net/

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2014年1月~3月にttkにて開催しました「まよわないために」展のディレクター野口 卓海さんが、京都・堀川丸太町のマガザンキョウトにて展覧会の企画を担当いたします。

「みたりのやりとり」

会期:2016年1月28日(土)~終了日未定
出展作家:松見拓也 ・迎英里子・九鬼知也
会場:マガザンキョウト(602-8126 京都府京都市上京区中書町685−1 TEL:075-202-7477)

http://magasinn.xyz/article/2017/01/13/yokoku_art/

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昨年4~5月にttkにて個展を開催しました藤崎 了一さんが、東京・渋谷のBLOCK HOUSEにて二人展に参加いたします。

「Shelters Vision 市川平×藤崎了一」

会期:2017年1月28日(土)~2月5日(日) 会期中無休
開廊時間:13:00~20:00 (平日はアポイント制)
会場:BLOCK HOUSE (150-0001 東京都渋谷区神宮前 6-12-9 TEL:03-6318-2003)

http://blockhouse.jp/

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今年2~3月にttkにて個展を開催予定の泉 茂さんが、和歌山県立近代美術館にて個展を開催いたします。

「泉茂 ハンサムな絵のつくりかた」

会期:2017年1月27日(金)~3月26日(日) 月曜休(ただし月曜日が祝休日の場合は翌平日休館)
開館時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
会場:和歌山県立近代美術館 (640-8137 和歌山市吹上1-4-14 TEL:073-436-8690)

入場料:一般510(410)円、大学生300(250)円 ( )内は20 名以上の団体料金
*高校生以下、65 歳以上、障がい者の方、県内に在学中の外国人留学生は無料。毎月第4土曜日は「紀陽文化財団の日」として大学生無料。

http://www.momaw.jp/

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2014年6~7月にttkにて個展を開催しました小出 麻代さんが、京都・三条のGALLERY PARCにて二人展に参加いたします。

「empty park 佐藤雅晴・小出麻代」

会期:2017年1月24日(火)~2月5日(日) 月曜休
開廊時間:11:00~19:00
会場:GALLERY PARC (604-8082 京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48 三条ありもとビル2階 TEL:075-231-0706)

http://www.galleryparc.com/

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一昨年1月~3月にttkにて開催しました「OBJECTS IN MIRROR~」展のキュレーター長谷川 新さんが、大阪・北加賀屋のCCO クリエイティブセンター大阪にて展覧会のキュレーションを担当いたします。同じく「OBJECTS IN MIRROR~」展の出品作家荒木 悠さんも当展に出品いたします。

「クロニクル、クロニクル!」

会期:2017年1月23日(月)~2月19日(日) 火・水曜休
開場時間:13:00〜19:00

出品作家:荒木悠、伊東孝志、大森達郎、荻原一青、川村元紀、清水九兵衛、斎藤義重、笹岡敬、清水凱子、ジャン=ピェール・ダルナ、鈴木崇、高木薫、田代睦三、谷中佑輔、牧田愛、三島喜美代、持塚三樹、吉原治良、リュミエール兄弟
主催:クロニクル クロニクル!実行委員会(キュレーター・長谷川新、ディレクター・土方大)

入場無料

会場:CCO クリエイティブセンター大阪 (559-0011 大阪市住之江区北加賀屋4 丁目1 番55 号 名村造船旧大阪工場跡 TEL:06-4702-7085)

http://www.chronicle-chronicle.jp

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一昨年1月~3月にttkにて開催しました「OBJECTS IN MIRROR~」展の出品作家末永 史尚さんが、大阪・難波のCASにてグループ展に参加いたします。

「パイロットプラント展 Marcel Duchampに」

会期:2017年1月21日(土)~2月4日(土) 月・水曜休廊
開廊時間:14:00~19:00
会場:CAS (556-0016 大阪市浪速区元町1丁目2番25号 A.I.R1963 3階 TEL:06-6647-5088)

http://cas.or.jp

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一昨年4~5月にttkにて個展を開催しました加賀城 健さんが、兵庫・伊丹の伊丹市立工芸センターにてグループ展に参加いたします。

「あやなす展 Small Works - 卓上風景 -」

会期:2017年1月9日(月)~2月5日(日) 月曜、1/10休
開廊時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
会場:伊丹市立工芸センター (664-0895 伊丹市宮ノ前2-5-28 TEL:072-772-5557)

http://mac-itami.com/

 

2015-03-04
「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」 展示記録

撮影日:2015年2月5日 撮影:長谷川 朋也

 

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2015-03-03
「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」展に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介

「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」につきまして、各所にてプレビュー・レビューをご掲載いただきました。

主だったご掲載記事を以下にまとめてご紹介させていただきます。当展をご紹介くださったみなさまに、心より御礼申し上げます。

 

・『美術手帖 1月号』 ARTNAVI(プレビュー/12月17日)

・「Art Annual Online」(プレビュー/1月5日)
http://www.art-annual.jp/news-exhibition/exhibition/44791/

・「ARTiT」 Picks/おすすめ展覧会 (プレビュー/1月7日)
http://www.art-it.asia/u/admin_ed_pics/jdwbSOyctfF09HNk58CK

・『Meets Regional 3月号』 「竹内厚の途轍もヘチマもない」(長谷川新インタビュー/1月31日)

・『Kansai Scene 2015年2月号』 「Art Listings」(プレビュー/2月1日)

・日本経済新聞 関西版夕刊「関西ビュー」(レビュー/2月6日)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASIH03H0I_T00C15A2AA1P00/

・ブログ「みづェ……(前田裕哉氏執筆)」(レビュー/2月20日)
http://atashika-ymyh.hatenablog.jp/entry/2015/02/20/212403

・ブログ「プラダーウィリー症候群(Prader-Willi Syndrome)の情報のメモ」(レビュー/3月1日)
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20150301/art

 

 

2015-01-28
「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」関連イベントのご案内

現在開催中の「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」、明日から会期再開となりまして、これから本展の関連イベント3企画が順次開催となります。すべてのイベントは「PORT」での開催になっております。
ぜひみなさまお誘いあわせの上、イベントへのご参加をお待ちしております。(イベントの案内文は、本展キュレーター長谷川さんによるものです。)

イベント会場:PORT http://shikanjima-port.jp/
大阪市此花区四貫島1-6-6 [四貫島中央通商店街内]
(the three konohanaより徒歩5分)

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【終了しました】
2月1日(日)18:00~20:00
めりカフェ「抹消の痕跡をたどる──ルネサンス美術における上塗りと未完成」

特別講師:古川 萌 http://researchmap.jp/furukawa_moe/?lang=japanese
定員:20名
入場料:500円+ワンドリンク注文制

特別講師として京都大学で西洋美術史を研究されておられる古川萌さん(twitter:@cari_meli)をお呼びして、イタリア・ルネサンス美術に見られる上塗りや修正についてのレクチャーをしていただきます。
こと現代美術の展覧会において、あんまり西洋美術史専攻の人サイドからの応答とかdisとかってないなーと思っていて(双方互いに関心があるとおもってるのですが)、今回そのきっかけになればなとぼんやり思っています。古川さんは「めりカフェ」を今後定期的に開催予定とのことなので、ぜひぜひチェックしてください。

Ustream配信の様子(録画):http://www.ustream.tv/recorded/58311480
当日の配布資料(改訂版)→[PDF]
当日のスライド資料→[PDF]

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2月14日(土)18:00~21:00
荒木悠作品上映会

ゲスト:菅原 伸也
定員:40名
入場料:500円

荒木さんは今回展覧会会場ではいわばレッスンといえる短い映像の集積を展示していますが、今回の上映会では主要な作品を、知る人ぞ知るあの(!)菅原伸也さんとのトークを交えながら詳細に見ていければと思っています。これ多分めっちゃ面白いはずです。僕は今回の展示の課題設定のひとつに「展覧会における映像の展示についての功罪」をいれてまして、今回の上映会はその一環かなあとも。
荒木さんのHPはこちら http://www.yuaraki.com/

トークのレジュメ公開しています→[PDF]

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2月15日(日)18:00~21:00
「SAVE THE CLUB NOON」上映会

ゲスト:宮本 杜朗 監督
定員:40名
入場料:500円

『SAVE THE CLUB NOON』は大阪の老舗クラブ「NOON」が2012年4月に風営法違反により摘発された事を受けて起こったイベント『SAVE THE NOON』のライブと出演ミュージシャンらへのインタビューを記録し、表現者の視点から風営法について語ったドキュメンタリーです。

出展作家の佐伯慎亮さんが企画・撮影されています。「関連企画」というより、これ自体が音楽という僕にとってなくてはならない存在のひとつへの想いでもあります。(家でずーーーーーーっと音楽を聴いている人)
今回、監督の宮本杜朗さんと、佐伯さんにいろいろお話を伺います。

この映画を見て以来、大学時代は京都のライブハウスやクラブばかりで、大阪にほとんど足を伸ばさなかったことを悔やむばかりです。展覧会会場での佐伯さんの写真は、佐伯さんを知ってる方は「えっ!?」と思われるかもしれません。初めてご覧になった方はちょっと大人しめに感じるかもしれません。でも、熱さと静かさは、笑いと本気は、生と死は、いっしょにあるんですよ。
https://www.youtube.com/watch?v=vqwcfLvFIbg
http://savetheclubnoon.com/

 

2015-01-13
「OBJECTS IN MIRROR~」はじまりました!

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ttk3年目の最初の展覧会「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」、3連休と重なりました最初の3日間で100人を優に超えるみなさまにお越しいただきました。連休という好条件に、昨年秋の「無人島にて」展で大反響を巻き起こしたキュレーター長谷川新さんの企画ということもあって、改めて注目度の高さがうかがえた会期一週目となりました。

長谷川さんのキュレーションのスタンスをご存知の方には、本展も彼らしい納得の内容になっていると思います。本展のタイトルやステートメントはとても意味深でやや論理的に感じるかもしれませんが、基本的に長谷川さんの展覧会は、美術史の文脈を理解しないと楽しめないという作り方にはなっていません。本展のステートメントで小説や詩のセンテンスが引用されているように、物語性が作家のセレクトから実際の展示に至るまでに反映されています。今回は7名の作家の作品で物語られますが、表現のジャンルや素材の「近さ/遠さ」が既存の価値観の中でのものだけではなく、作家同士の比較の中でも網の目のような相関図が形成されているように思います。

展示自体も、見た目では比較的すっきりと配置されていますが、作品の情報量としてはやや多めの印象があります。そのため、展示を一巡すると見た目以上のボリューム感に圧倒されますが、じっくり時間をかけて展示をご覧いただければ、長谷川さんが意図する作家同士の関係性を読み取ることはそれほど難しいものではないと思います。(ただし、もちろん長谷川さんの意図を見い出すことが唯一の答え・目的ではありませんが)

各作家につきましては、長谷川さんのキュレーションの意図のもとで、出品作品は作家によって新作のみ、旧作のみ、新作・旧作混合の様々なアプローチをとっています。また、7名の作家のうち5名は関西外で活動する作家ですので、関西の方々にとっては初めてご覧になる作家も多いと思います。良い意味でいつものttkとは違った空間、展示をお楽しみいただければと思います。

そして本展は、2月から関連イベントが次々と開催されます。長谷川さんの発案で、ttk3年目にして初めて、展覧会で此花の近隣の施設との連携が実現しました。オープニングレセプションを実施した、ttkから徒歩5分の四貫島中央通商店街内にある「PORT」にて、3つの関連イベントを実施いたします。こちらでは、複数の作家が搬入期間中に宿泊して、その間も作業の合間に下町風情にあふれた此花エリアを満喫していただいた拠点でもありました。本展で初めて此花にお越しになられる方には、ttkとPORTへの移動の間に、大阪らしい下町の此花の雰囲気もご一緒に楽しんでいただければと思っております。イベント自体の充実さももちろんで、展覧会そのものを取り上げるというよりは、その周辺から主題を広げていくような内容になっていますので、ぜひ関連イベントもお誘いあわせの上ご参加ください。

先般ご案内の通り、今月17日から28日まで中断期間がございますが、3月頭までの会期、多くのみなさまのお越しをお待ちしております。

 

2015-01-10
Director’s Eye #3 「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」

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・「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」 展示風景

・「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」展に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介

 

 

Director’s Eye # 3
「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」
2015年1月10日(土)~3月1日(日)

キュレーター:長谷川 新
出品作家:荒木 悠上田 良折原 ナナナ柄澤 健介小濱 史雄佐伯 慎亮末永 史尚

開廊時間:木曜~日曜 12:00~19:00
休廊日:毎週月曜~水曜、1月17日(土)~28日(水) (※ ただし1月12日(月・祝)は開廊)
会場:the three konohana

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《関連イベント》 (※詳細はこちら
会場:PORT http://shikanjima-port.jp/
大阪市此花区四貫島1-6-6 [四貫島中央通商店街内]
(the three konohanaより徒歩5分)

・レセプション
1 月10 日(土)19:00~21:00
入場無料(ドリンクキャッシュオン制)

・めりカフェ「抹消の痕跡をたどる──ルネサンス美術における上塗りと未完成」
特別講師:古川萌
2 月1 日(日)18:00~20:00
入場料500円+ワンドリンク注文制

Ustream配信の様子(録画):http://www.ustream.tv/recorded/58311480
当日の配布資料(改訂版)→[PDF]
当日のスライド資料→[PDF]

・荒木悠作品上映会
ゲスト:菅原伸也 (※トークのレジュメはこちらからダウンロード可能です→[PDF]
2 月14 日(土)18:00~21:00
入場料500円

・「SAVE THE CLUB NOON」上映会
ゲスト:宮本杜朗監督
2 月15 日(日)18:00~21:00
入場料500円
http://savetheclubnoon.com/

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このたびthe three konohanaでは、Director’s Eyeの第3弾として、キュレーター長谷川 新(Arata Hasegawa, b.1988)の企画によるグループ展「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」を開催いたします。

2013年よりキュレーターとしての活動を開始した長谷川は、同年にチーフキュレーターとして参加した「北加賀屋クロッシング2013 MOBILIS IN MOBILI -交錯する現在-」にて、国内のアートシーンに頭角を現すこととなりました。同展において彼は、自らと同世代である80年代生まれの作家の動向への深い考察のみならず、新進の評論家を多数巻き込み、かつバイリンガルで構成した展覧会図録の出版、さらには東京と金沢への巡回展も成功させるなど、キュレーターとしての仕事を体系的にかつ細部にわたって展開しました。

また2014年秋に京都で企画した「無人島にて―「80年代」の彫刻/立体/インスタレーション」では、前年の企画とは対照的に、彼自身が生まれていない時代の表現傾向を取り上げ、そこに新たな解釈の可能性を提示した意欲作として、各所で大きな反響を巻き起こしました。卓越した知識量と、歴史を基盤とした洞察力に裏打ちされた彼のキュレーターとしての活動には、多くの美術関係者から注目が集まっています。

本展では、長谷川の視点は再び同世代周辺の動きへと向かいます。近年の美術におけるジャンルの横断や表現・素材の多様性に着目し、それらを明確に分類するのではなく、その境界周辺にある概念や価値、またはその距離感への考察をおこなうものです。
ゼロ年代以後の表現に通底するゆるやかな価値観への接近が期待されます。ぜひこの機会にご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

the three konohana  山中 俊広

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OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR
Curator:Arata Hasegawa

「視野の縁でなにが起きているかを知っているだけでは、我慢できなくなりかける。目にはいる部屋の光景はつねに一分の隙もなく、それがまた衝動を煽った。ここまで来ると強迫観念だ--どんなに早く首をまわしても、まわりで起きていることはこれっぽっちもわからない…。」
グレッグ・イーガン『順列都市』

「彼は目を上げて、その翼あるものを見た。見たと言っても両の目にあふれていた玉葱の涙を通してで、したがって数瞬のあいだ突っ立って見つめていたのだった、 なぜならば涙のために奇妙なレンズを通して見たみたいにそれの輪郭がふくれ歪んでいたからで、睫毛が乾くようにと目をすがめた、そしてあらためて見つめた。」
アントニオ・タブッキ『ベアト・アンジェリコの翼あるもの』

「舞台の上では行為が演じられるか、それとも、おこなわれたことが報告されるかの、いずれかである。」
ホラーティウス『詩論』

 

タイトルとなっている英文は、アメリカ、カナダ、それとインドを走る乗用車のサイドミラーについている警句だ。

「鏡ごしに見えるものは、見かけより近くにある」

そのことばには確かにソリッドな感覚がある。速度を伴っている。
ちょっとした重力も感じることができる。
生死に肉薄した、物質的でミニマルな警句。
そこから、「鏡ごしに」という部分を削り落とす。

本展は7名の作家の、展覧会だ。
荒木悠、上田良、折原ナナナ、柄澤健介、小濱史雄、佐伯慎亮、末永史尚。
僕はここで頻出する修辞を用いることを執拗に拒む。

よくある修辞1。「彼らは一見すると全く異なる作風です。しかし−−」
よくある修辞2。「−−という素材/メディウム/ジャンルの独自性を追求し」

私たちは互いの「近さ」をもっと許容しても良いのではないか。
あるいは今観ているそれが別の似たなにかであり得ることについて、考えを巡らせてみることができるのではないか。

だからこの展覧会は、「近さ」について考えられるようにした。

作品は伸びたり縮んだりするし、展覧会ですべてを見せる必要もない。
もとよりそれは、絶えず遅れている。

展覧会は鑑賞者の少し後方を走っている。(行き先は異なれど少なくとも今は同一方向に)
鑑賞者は鏡ごしにそれを見る。
それは見かけよりもずっと、近くにある。

 

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Director’s Eye #3 長谷川 新
「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」
2015年1月10日(土)~3月1日(日)

the three konohana、次回の展覧会のご案内です。

2015年最初の展覧会は、Director’s Eyeシリーズの第3弾となります。
関西を拠点に全国各地で、展覧会企画および美術評論を精力的に展開している、長谷川 新(Arata Hasegawa, b.1988)のディレクションによる
「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」を、来年1月10日(土)~3月1日(日)の会期にて開催いたします。
(※会期中の1/17(土)~25(日)は休廊とさせていただきます。ご了承くださいませ。)

出品作家は、荒木 悠上田 良折原 ナナナ柄澤 健介小濱 史雄佐伯 慎亮末永 史尚の7名によるグループ展形式です。

【詳しくはこちら】