REVIEW

「Essential Depths」はじまりました!

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ttkでは初めての2回目の個展となる加賀城健さんの「Essential Depths」。前回の個展「ヴァリアブル・コスモス」が一昨年の秋の開催でしたので、加賀城さんは実質1年半ぶりの個展となります。

1年半という時間を置いての同じ場所での2回目の展示ということもあり、恐らく多くのみなさまが前回との比較という観点で展示をご覧になられるかと思います。前回の「ヴァリアブル・コスモス」は、染色技法と色彩のバリエーションが構成要素となって、作品点数の多さと共に個性的なttkの空間の特性を引き出すためにスペクタクル的な印象が強い内容になっていました。今回の「Essential Depths」は前回とは対照的に、主題に沿って作品そのものの強度を作り出すために、作品点数は抑え目にした一方で、個々の作品の存在感を強調させた構成になっています。一部の作品では加賀城さんにとって初めての染め方を実践していたり、今回のテーマのひとつでもある「フレーム/フォーマット」のズレを意識したものも多数提示されています。また、加賀城さんと言えば空間構成(インスタレーション)のアプローチも特徴ですが、それが個々の作品の展示方法でもその意識の強さが垣間見られます。前回は個々に独立していた印象のホワイトキューブと和室の展示でしたが、今回は双方をつなげる仕掛けも取り入れています。2つの個性的な空間を一つに融合させようとした加賀城さんの強い意図も、感じ取っていただけるかと思います。

そして、いつもの加賀城さんらしく、染色そのもののバリエーションも豊富です。染色へのこれまでの一貫したアプローチと、新境地を展開するアプローチ、両者がバランスよく組み合わされている本展となりました。これからの1か月半、加賀城さんの染色と空間構成の妙をじっくりとお楽しみくださいませ。


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Posted on 2015-04-06 | Posted in REVIEW |

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