2016, EXHIBITIONS, PAST

Konohana’s Eye #14 笠間 弥路 「ライオンの家」

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笠間 弥路 「ライオンの家」 展示記録

・笠間弥路 展に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介

 

Konohana’s Eye #14
笠間 弥路 「ライオンの家」

2016年11月4日(金)~12月25日(日)

開廊時間:木・金曜 15:00~21:00/土・日曜 12:00~19:00
休廊日:毎週月曜~水曜、11月17日(木)~20日(日)
会場:the three konohana

オープニングパーティー : 11月4日(金) 18:00~

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このたびthe three konohanaでは、弊廊では初めての発表となる笠間 弥路(Miro Kasama, b.1983)の個展を開催いたします。

宮城県に生まれた笠間は、大学院から京都市立芸術大学に進学し、以後は京都を拠点に活動を続けています。近年はギャラリーでの発表の他に、国内外のアーティスト・イン・レジデンスへの参加やワークショップの実施など、幅広いスタンスで制作・発表活動をおこなっています。また昨年は、弊廊の位置する此花区梅香・四貫島エリアのFIGYAとASYL、2つのアーティストラン・スペースでも個展を開催しており、当エリアでの個展は本展で3度目となります。

笠間は、学生時代に学んだ彫刻の思考を軸に、重力や奥行きといった、ものや空間の概念に付随する要素の探究を、一貫して実践してきました。人によって異なり、曖昧な知覚的要素でもあるこれらを、ものとものを繋ぎ合わせる行為を通じて、対象の間にある境界の存在を浮かび上がらせます。そしてその境界から、ものや概念を取り巻く関係性や空間性を、造形行為と同時に立ち上がらせることが、彼女にとっての彫刻の考え方です。その思考に基づいて、立体や平面、単一の素材にとらわれない、多様な形態の作品を制作してきました。

さらにここ数年は、娘の存在が彼女に大きな影響を与えています。子育てによる日常生活の変化や、最も身近な他者としての娘の自我や所作を目の当たりにした経験が、造形の行為に関わる周辺の事柄として、彼女の作品や活動にも包括されていきました。以前と比べてもこの数年は、彼女の作品と活動は多様性に富んだ傾向にありましたが、今後は取捨選択と相対化が徐々に図られていくように思われます。

本展のタイトル「ライオンの家」は、笠間が最近アトリエとして使用している小さな建物の呼称です。制作環境を整えるために彼女自らの手で少しずつ改装を加えながら、場所を作ることと造形することを等価に捉える実践の場としても機能させようとしています。本展は、この「ライオンの家」から取り除いた廃材を素材とした作品によって空間を構成する内容となります。彼女にとって見知らぬ人である前の建物の所有者の記憶を帯びた素材と、それらを繋ぎ合わせる行為を通じて、自己と他者、ものや感覚の関係性や、それら対象の間を埋める隙間や境界線から浮かび上がるイメージを提示していきます。

昨年笠間が個展を開催したFIGYAとASYLも、前の所有者の痕跡と地道に向き合って作られたスペースとして、彼女の「ライオンの家」とも共通する点があります。さまざまな他者が介在しながら、自覚の有無に関わらず、人やものや記憶が繋ぎ合わされて、空間と枠組みが新たに再構築された場という認識で、昨年の此花での2つの展示も対照化できる機会になると思います。他者を巡る社会・日常の諸要素と、造形の行為が静かに並置された環境に身を置きながら、「つくる」行為や、人とものの関係性を細やかに見つめ直すきっかけになれば幸いです。ぜひこの機会にご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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[作品群によるイメージ画像] ©Miro Kasama

 

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《となりの宇宙 / A space of someones -Asuka Village-》 2016
ワークショップによる制作物、ドローイング、日記、小石、ガラス片、陶片、空き缶、紙、ゼラチンシルバープリント

 

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笠間 弥路「swimming」展示風景 (ASYL/大阪、2016) [撮影: Phantom Pictures]

 

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《black bird》 鳥の羽根、壁材 18.0 x 9.0 x 7.0 cm 2016

 

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《Fragments》 小石、ガラス片、陶片、その他 9.0 x 10.0 cm 2015 [撮影:ユルキヤスヒト]

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Posted on 2016-11-04 | Posted in 2016, EXHIBITIONS, PAST |

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