EXHIBITIONS
2024-06-22小松原 智史「ふたたび巣をたてる」 2024年6月22日(土)~7月28日(日)
出品作品イメージ
小松原 智史「ふたたび巣をたてる」
2024年6月22日(土)~7月28日(日)
開廊時間|12:00~19:00
休廊日|毎週月・火・水曜
会場|the three konohana
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このたびthe three konohanaでは、2年ぶりとなる小松原 智史(KOMATSUBARA Satoshi, b.1989)の個展「ふたたび巣をたてる」を開催します。
2年前の前回の個展「ばける|きえる|うけいれる」では、屋外での作品発表や海外での滞在制作など、新たな環境の下で制作・発表を重ねる中で現れてきた小松原の新たな描きのバリエーションを、平面表現の中に引き戻す意識で制作した作品群を発表しました。それに続く本展では、近年の彼の環境の変化から現れたもう一つの側面、空間への向き合い方が主題となります。
当初の彼の空間への意識は、空間自体を規定する壁面を自らの描きで埋め尽くしていくことに徹していました。しかし、空間の外側には触れられてもその内側には入り込めないという疑問から、2018年の個展「巣をたてる」では竹や廃材などで立体的な構造体を作りながら、それ自体にも描いていくという手法を試みました。その後様々な模索を経て、2020年から3年連続で参加した芸術祭「MIND TRAIL-奥大和 心のなかの美術館」で、3Dペンを使った樹脂による立体的なドローイング作品を発表したことが、大きな成果のひとつとなりました。前回の個展以降も、大きく展開した近年の表現のあらゆる要素を、彼自身の中でひとつひとつ丁寧に見つめ直しています。
本展では、2018年の弊廊での個展以来取り組み続けてきた、空間へのアプローチに特化した作品群を中心に構成します。しかし、立体的な作品を手掛けながらも、彼の表現の根本にあるのは描くことです。筆やペンを下ろすところを、限られた二次元の領域からいかに自由になるかを模索しながら、いまの彼の志向はドローイングとペインティングを並列化して、それらの境界を解体していくことを目指しているようにも感じます。
本展は、小松原が次の表現の構築に向けて、2018年から時間をかけて模索し続けてきた過程において大きな区切りになるかと思います。当時の「巣をたてる」意識から始まり、自らの表現と空間の関係性に向き合ってきた彼の真摯な姿勢に触れていただければ幸いです。
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2024-03-02「Gallery Collection 2024 Spring」2024年3月2日(土)~24日(日)
「Gallery Collection 2024 Spring」
2024年3月2日(土)~24日(日)
出品作家|泉 茂、加賀城 健、加藤 巧
開廊時間|12:00~19:00
休廊日|毎週月・火・水曜、3/22(金)
会場|the three konohana
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このたびthe three konohanaでは、3月2日(土)より「Gallery Collection 2024 Spring」を開催します。
昨年2023年に弊廊で展覧会を開催した泉 茂、加賀城 健、加藤 巧の3名の作品を、昨年や過去の弊廊での展覧会出品作の他、未発表作も交えて紹介します。
なお本展は、ttk近隣のFIGYAで3月9日(土)より開催する、下道基行さんの個展「船はあの丘に登った」と連携してオープンします。此花区梅香・四貫島エリアの複数のスペースにて、2014年に閉廊した梅香堂にゆかりのある作家たちの展示をあわせてご覧いただけます。
連携企画の会場マップはこちら→https://maps.app.goo.gl/dT45oF3AuLamuPPZ6
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2023-11-03開廊10周年記念展 Vol.3 「PRE KONOHANA MUSEUM」 2023年11月3日(金・祝)~26日(日)
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・「PRE KONOHANA MUSEUM」 展示記録
・「PRE KONOHANA MUSEUM」出品リスト(PDF)
・ KONOHANA TIMELINE(Google Spreadsheet)
the three konohana 開廊10周年記念展 Vol.3
「PRE KONOHANA MUSEUM」
2023年11月3日(金・祝)~26日(日)
企画|NO ARCHITECTS、the three konohana
開廊時間|12:00~19:00
休廊日|毎週月・火・水曜
会場|the three konohana
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このたびthe three konohanaでは、弊廊の開廊10周年記念展の第3弾として、「PRE KONOHANA MUSEUM」を、大阪市此花区在住の建築家ユニットNO ARCHITECTSとの共同企画で開催します。
「PRE KONOHANA MUSEUM(プレ・コノハナ・ミュージアム)」は、大阪市此花区梅香・四貫島エリアを拠点に、まちとアートの関係が継続的に育まれてきた約15年間の活動の蓄積を可視化し、その変遷をたどる機会を創出することを目的とした展覧会です。
当エリアは、2007年に地元の不動産会社が主導して、アートを活用したまちづくりの取り組みが始まりました。以降現在に至るまで、随時出入りがありながらも、延べ数百人規模の人々が自らの活動をおこなう中で、大小様々なユニークなイベントが開かれています。また、毎年のように開かれた活動拠点が立ち上がる一方で閉鎖するところもあり、当エリアの動きは常に変化がありながらも持続しています。
本展では、NO ARCHITECTSが長年収集してきた、当エリアで開催された多数のイベントや展覧会の広報物を中心に、関連する各種資料を、10年前に自ら設計を担当したthe three konohanaのギャラリー空間に、仮設の「まちのミュージアム」を想定した空間を構築して展示します。
これまで当エリアは、独特のまちとアートの関係とその成熟の過程が注目を集め、様々な視点から多数の学術論文や各種メディアの取材記事などで言及されてきましたが、近年は周辺を取り巻く状況からその認識に隔たりを感じることも度々起きています。本展を通じて、当エリアの特徴や個性、そして15年もの歳月をかけて紡がれてきた、この「まち」の文脈を、地域内外の方々と共に改めて捉え直す機会になれば幸いです。
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【主な出品予定資料】
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【NO ARCHITECTS(ノー アーキテクツ)経歴】
西山広志、奥平桂子により共同主宰。
2009年 神戸芸術工科大学大学院を共に修了し、nishiyamahiroshiokudairakeiko として活動を開始。
2011年 大阪市此花区へ事務所移転に伴い NO ARCHITECTS 設立。
建築をベースに、設計やデザイン、インスタレーション、ワークショップ、会場構成、まちづくりなど活動は多岐にわたる。
また、音楽家や美術家、写真家、劇作家、詩人、ダンサー等とのコラボレーションや、展覧会の企画など領域をまたいだ活動も行っている。
著書に『NO BOOK』 (OOO PRESS)、『REMIX TOWN』 (RAD)など。
現在、西山は摂南大学 ・ 近畿大学・京都芸術大学 非常勤講師。奥平は京都芸術大学 非常勤講師。
http://noarchitects.jp/
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2023-09-15開廊10周年記念展 Vol.2 泉 茂「Newly Discovered Works」2023年9月15日(金)~10月8日(日)
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・泉 茂「Newly Discovered Works」 展示記録
・テキストリーフレット(執筆:稲葉征夫、山中俊広、福元崇志)
the three konohana 開廊10周年記念展 Vol.2
泉 茂「Newly Discovered Works」
会期|
Yoshimi Arts:9月13日(水)~10月1日(日)10月8日(日)[* 会期延長しました] 12時~19時(日曜のみ17時まで)/月・火、10/7(水)休
the three konohana:9月15日(金)~10月8日(日) 12時~19時/月・火・水休
(2会場にて開催/会期・休廊日は会場によって異なります)
会場|
Yoshimi Arts
〒550-0002 大阪市西区江戸堀1-8-24 若狭ビル3F/06-6443-0080/info@yoshimiarts.com
会場アクセス|大阪メトロ四つ橋線・肥後橋駅より徒歩1分、大阪メトロ御堂筋線・淀屋橋駅より徒歩5分
ギャラリーURL|http://www.yoshimiarts.com
the three konohana
〒554-0013 大阪市此花区梅香1-23-23-2F/06-7502-4115/info@thethree.net
会場アクセス|阪神なんば線・千鳥橋駅より徒歩3分、阪神なんば線/JR環状線・西九条駅より徒歩9分
ギャラリーURL|https://thethree.net/
協力|中川 佳宣(大阪芸術大学 美術学科 特任教授)、大阪芸術大学博物館
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このたび、Yoshimi Artsとthe three konohanaの共同企画として、泉 茂の個展「Newly Discovered Works」を開催します。本展は、the three konohanaの開廊10周年記念展の第2弾としても位置付けます。
両ギャラリーでは、2017年の初めての共催展以降、泉茂の調査を継続しておこなっていますが、最近になりロールの状態で保管されていた大きなサイズのキャンバス作品群を発見しました。これらは、2012年まで大阪府河南町にあった泉のアトリエを完全に引き払う際に関係者が引き取ったものの一部でしたが、その当時にまとめられたリストには記載のなかった作品群でした。
本展では、その作品群からセレクトした約10点を、2つのギャラリーで同時に公開します。出品作品は、当時の資料や情報が不確かな要素が随所にあると同時に、完成された作品として発表実績がないと思われるものも含んでいます。本展を通じて、生前の泉や作品制作時のことを知る方々から作品の情報やエピソードを収集する機会とします。
また本展では、かつて泉の助手を務めていた大阪芸術大学美術学科の特任教授、中川佳宣氏に展示協力を得て、さらには大阪芸術大学が所有する泉の作品資料を借用して、本展で紹介する作品群とあわせて展示します。加えて関連企画として、Yoshimi Artsの稲葉征夫とthe three konohanaの山中俊広の2人のギャラリストと、国立国際美術館主任研究員の福元崇志氏が、それぞれに執筆した泉茂についてのテキストをまとめたリーフレットを、両ギャラリーにて部数限定で無料配布します。
2017年から3回の共催展を経て、近年は全国各地の美術館のコレクション展や企画展で、泉の作品が公開される機会が増えるようになりました。4回目の泉茂共催展となる本展から、また新たに泉の魅力を掘り起こすべく、さらに多角的な作品分析や解釈のためのヒントを見出し、かつその体制を再構築する機会としたいと思います。
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泉 茂(Izumi Shigeru) 経歴
1922年大阪府生まれ。大阪市立工芸学校図案科卒業。瑛久らと1951年に結成した「デモクラート美術家協会」で活動し、叙情的な作風の版画が国内外で高い評価を得る。同会解散後、1959年から10年間にわたり滞在したニューヨークとパリで、当時の現地の美術の動向に触れ、抽象的な平面表現へと大きく転換する。帰国後は、主観を排除し、描くことの本質を追究した作品を、晩年まで精力的に制作・発表した。また、1970年から92年まで大阪芸術大学の教授に就き、後進の作家を多く輩出した。1995年没。
和歌山県立近代美術館、国立国際美術館、パリ市立近代美術館、ニューヨーク近代美術館など、国内外の美術館に多数作品が収蔵されている。2017年よりYoshimi Arts とthe three konohana が取扱ギャラリーとなり、定期的に展覧会を開催している。
【これまでの両ギャラリーの泉茂展 開催実績】
2017 泉 茂「PAINTINGS 1971-93」Yoshimi Arts、the three konohana 共同開催
2018 泉 茂「1960-70’s」Yoshimi Arts 単独開催
2019 泉 茂「Drawings 1960’s」Yoshimi Arts、the three konohana 共同開催
2020 泉 茂「70’s」 Yoshimi Arts 単独開催
2021 「2つの時代の平面・絵画表現-泉茂と6名の現代作家展」Yoshimi Arts、the three konohana 共同開催
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【近年の国内美術館での主な泉茂作品出品歴】
2017
「泉茂 ハンサムな絵のつくりかた」和歌山県立近代美術館
「コレクション特集展示 ジャコメッティと Ⅰ」国立国際美術館
「平成29年度 第1回コレクション展」京都国立近代美術館
2018
「新収蔵作品展」西宮市大谷記念美術館
「コレクションを核に 関西ゆかりのデモクラートの作家たち 泉茂・山中嘉一・吉田利次・吉原英雄」BBプラザ美術館
「大阪芸大“はたち”の頃 ―元美術学科長・松井正と泉茂―」大阪芸術大学博物館
2019
「2019年度コレクション展Ⅲ もうひとつの日常」兵庫県立美術館
2020
「2020年度コレクション展Ⅰ コレクションにみる 拡がる現代アート 眼で聴き、耳で視る」BBプラザ美術館
「和歌山県立近代美術館 コレクションの50年」和歌山県立近代美術館
2021
「所蔵作品展 MOMATコレクション」(3/23-5/16)東京国立近代美術館
「コミュニケーションの部屋」和歌山県立近代美術館
2022
「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」大阪中之島美術館
「扉は開いているか―美術館とコレクション 1982-2022」埼玉県立近代美術館
「Back to 1972 50年前の現代美術へ」西宮市大谷記念美術館
「ニッポンの油絵 近現代美術をかたち作ったもの」和歌山県立近代美術館
「内海柳子とデモクラートの作家たち」町田市立国際版画美術館
2023
「コレクション展IV 造形紀行 「デザイン」の楽しみ」大分県立美術館
「とびたつとき 池田満寿夫とデモクラートの作家」 和歌山県立近代美術館、宇都宮美術館、長野県立美術館
「2023年度Ⅰ 人のよそおい」徳島県立近代美術館
2023-04-28開廊10周年記念展 Vol.1 加賀城 健+加藤 巧「Haste Makes Waste」 2023年4月28日(金)~6月18日(日)
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・加賀城 健+加藤 巧「Haste Makes Waste」 展示記録
the three konohana 開廊10周年記念展 Vol.1
加賀城 健+加藤 巧「Haste Makes Waste」
2023年4月28日(金)~6月18日(日)
出品作家|加賀城 健、加藤 巧
開廊時間|12:00~19:00
休廊日|毎週月・火・水曜
オープニングトーク&レセプション|4月30日(日)17:00~19:30
会場|the three konohana
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このたびthe three konohanaは開廊10周年を迎え、本年は記念展としての企画を複数計画しています。
その第一弾の企画として、加賀城 健(KAGAJO Ken, b.1974)と加藤 巧(KATO Takumi, b.1984)による二人展「Haste Makes Waste」を4月28日(金)より開催します。
本展は、弊廊で定期的に作品発表を重ねてきた二人の作家が、お互いの表現の方法や思考に触れ合い、その応答としての作品を発表する形式です。本展のためにお互いの作品および作品に使用する材料を渡し合って、それに各々の方法で応答した作品、対話を通じて着想が広がった新作、相手方の作品と並置して同異点を探る作品などで構成します。
本展を通じて、相互的な向き合いから現れる自らの制作のスタンスを見つめ直す二人の態度と、美術/芸術の本質に向き合おうとする二人の作家と弊廊の三者、それぞれの姿勢に触れていただける機会になれば幸いです。
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開廊10周年、つまりギャラリー活動の10年を表現する展覧会をと考えた時に、私にはそれを総花的に回顧する選択はないと思った。この10年間、私はギャラリーの運営と並行しながら、キュレーターの肩書で様々な立場や枠組みの仕事を多数手掛けることとなり、ギャラリストとして美術、芸術/アート、作家、作品とどう向き合うかという私の価値観はどんどん変容した。そうした流れの中でこの10年を表現するならば、今のこの通過点でどういう芸術の見方を持っているのかを示すことが理にかなっていると思った。つまり今の自分を表現すること。
変化したことも多いが、一貫して持ち続けている価値観ももちろんある。今回の展覧会はどちらかというと後者を表現することかもしれない。加賀城健と加藤巧は、それぞれ弊廊で何度も発表を続けていると同時に、パブリックな環境を舞台とした企画でも協働しており、作品を作らずマネジメント職に専念する私の立場に理解を示すことができる作家でもある。さらに二人は、芸術系大学で教員職に従事していることも私と共通し、ギャラリー内での活動に留まらず、広い視野でいまの芸術・美術を捉えて議論ができる、対等な同志的存在であることは過言ではない。
この二人の作家に共通していることは、作家としての活動や作品表現の幅を広げながらも、その広がりを自らの特異点として押しだすことはなく、各々の領域の原点、つまり本質の追究に自らの主題を置いている。この点に私はこれまで強い共感と信頼を置いてきた。加賀城は染色、加藤は絵画、それぞれの領域の技法と材料を研究する姿勢が作品へと発展する過程は、共に作家としての最も強固な軸と言えよう。しかし、二人はそれらの要素を権威として自らにまとわせないように、自らの身体および制作行為の性質をも観察し、それらを作品へ反映させる姿勢を取る。自らの外にある表現・制作のための知識と、自らの中にある身体と思考を組み合わせ、それらをフラットにするためにいかに遠回りし、不便さを受け入れることを意識した作品制作をするところにも特筆すべき点があると考える。各々の領域にある技法や材料、歴史に由来する、動かしがたい権威的概念と、表現・制作の不自由さに着目し、それらに誠実に向き合う振る舞いから自由さを獲得していく態度には、いまの芸術の領域だけでなく社会にも説得力を持ったメッセージとして発せられる強さがあると私は思っている。
一方で、これだけ共通点が多くありながら、本展はむしろ両者の違いが現れることになるだろう。当初互いに制作思考への共感を持ってこの企画に臨んだ二人だったが、まずは作品や材料を交換して制作に取り組んだものの、それらを取扱うアプローチに共に戸惑い、制作が立ち止まった瞬間があった。この気づきがあった後に、本展に向けての各々の取り組み方に違いが広がったように私は感じた。急がば回れ。本展のタイトルはここでの出来事だけでなく、私たちが各々の活動の中で常に大切にしてきた態度として明解に示すものである。
本展は、加賀城と加藤の対話と応答から、全ての作品と展示が作られる。それを10年の活動を経たギャラリーの今を位置づける価値観の一つとして示すことに、私に躊躇はない。これまで多数の企画で私と協働を積み重ね、お互いのキャリアアップに寄与し合ってきた二人は、ここに私自らの価値観を肉付けすることに信頼を持って受容してくれるだろう。ここからギャラリーの次の10年を展望し、そしてさらにその先の世界に残され得る芸術とは何かを、これからも試行錯誤しながら考え続けていきたい。
the three konohana 代表・ディレクター 山中 俊広
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2023-01-13Gallery Collection – 加藤 巧「Recent works 2020-22」2023年1月13日(金)~2月19日(日)
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・加藤 巧「Recent works 2020-22」 展示記録
Gallery Collection – 加藤 巧「Recent works 2020-22」
2023年1月13日(金)~2月19日(日)[※会期中の金~日曜日オープン]
開廊時間|12:00~19:00
(* 期間中の月~木曜日はアポイントメント制/電話・メールにてお問合せください)
(* 2/5(日)は13:00オープンに変更いたします)
会場|the three konohana
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このたびthe three konohanaでは、Gallery Collection – 加藤 巧「Recent works 2020-22」を、年明けの1月13日(金)より開催いたします。
本展では、絵画技法や材料の研究を並行して多様な作品を制作している加藤 巧(KATO Takumi, b.1984)のここ3年間の弊廊での未発表作から、ギャラリーがセレクトした約20点を公開します。2022年夏、gallery αM(東京)の年間企画「αMプロジェクト2022-判断の尺度(キュレーター:千葉 真智子)」での個展「To Do」で発表した作品を中心に、新作や近年の未発表作などで構成します。
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顔料、卵黄、アクリル樹脂、二水石膏、兎膠、亜麻布、木材 90.0 x 60.0 cm
[ 「To Do/判断の尺度 vol. 2」 出品作品/撮影:守屋 友樹]
2022-10-27森村 誠「the pre-emptive multi-task」2022年10月27日(木)~12月11日(日)
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森村 誠「the pre-emptive multi-task」
2022年10月27日(木)~12月11日(日)
前期:10/27(木)~11/20(日)
後期:11/26(土)~12/11(日) (※ 前後期で作品を入れ替えます)
開廊時間|12:00~19:00
休廊日|毎週月・火・水曜、11/24(木)~25(金)
会場|the three konohana
* * *
このたびthe three konohanaでは、森村 誠(MORIMURA Makoto, b.1976)の個展を前後期に分けて開催いたします。
森村は、特定の情報が記された印刷物に、自らの手による行為を幾重にも積み重ねることによって作品化する作家と主に認識されています。これら大きく2つの要素の組み合わせを軸に、印刷物上の情報の用途やイメージから別の視点を促す作品を生み出すことで、私たちにその都度強い印象を与え続けてきました。また、彼の私的な体験や出来事を作品の着想に置くことで、私たち各々の日常や身近な物事へと導く求心力を有し、これまでに数多くの印象的な作品シリーズを制作・発表しています。
本展では、パソコンのCPUの機能を示す「pre-emptive multi-task(非協調的マルチタスク)」を比喩的なキーワードとして設定し、前期展の過去約20年間の作品と、後期展の新作シリーズの作品の双方に通底する、森村の作品制作・表現の傾向と今後の展開を探ることを狙いとします。
作品をシリーズ化していくための彼の思考方法には、材料と行為の選択や、私的な体験の抽出などに、作品へと発展させる彼なりの複数のフォーマットが垣間見られるように思います。それらの組み合わせの取捨選択や各々の要素の強弱がシリーズごとに設定・調整されることで、表現の多様性と一貫性が同時に担保されているのではという仮定において、彼の現在に至るまでの表現の全容を捉える機会になればと思います。
一方で、全ての作品シリーズを表層的に捉えると、時々彼の作品とは思えないようなイレギュラーな表現が現れています。その特徴が、後期展に発表する新シリーズ「PoSD」には明らかに見られることから、過去の作品の変遷を捉えながら最新作の発表を迎える、丁寧な鑑賞の過程を設けることが、もう一つの本展の狙いでもあります。
前期展では、2000年代半ばから昨年までに制作した作品約30点を公開し、後期展では、最新作「PoSD」シリーズの作品の発表を6点程度予定しています。森村の長年の制作活動の一貫性とその特異点がどこに見られるのか、多数の様々な作品と対峙して、みなさまと共に考える機会になれば幸いです。
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(2020年、the three konohana)[撮影:長谷川 朋也]
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展示風景(2021年、SYP Gallery)
[撮影:mami matsumoto]
2022-05-28小松原 智史「ばける|きえる|うけいれる」2022年5月28日(土)~7月10日(日)
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小松原 智史「ばける|きえる|うけいれる」
2022年5月28日(土)~7月10日(日)
休廊日:毎週月~水曜
開廊時間:12:00~19:00
会場:the three konohana
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このたびthe three konohanaでは、弊廊では3年半ぶりとなる小松原 智史(KOMATSUBARA Satoshi, b.1989)の個展を開催いたします。
近年の小松原は、奈良や滋賀、スペインでの滞在制作・発表のプログラムに精力的に参加してきました。屋内外を問わずあらゆる空間や環境に、自らの表現を寄り添うことのできる作品発表の方法を探ると同時に、異なる制作の環境に身を置くことで、理想的な制作環境を見出すことにも努めてきました。
2019年の年末、小松原はスペインのカタルーニャ地方へ2度目の滞在制作のために渡航しました。新型コロナウイルスのまん延が直撃した時期と重なりましたが、異国の地で活動が制限された環境下で作品制作に専念しながら、現地のギャラリーで日本人作家2名を招聘したグループ展を自ら企画するなど、有意義な経験を10か月にわたる滞在期間に積み重ねました。そして帰国後は「MIND TRAIL-奥大和 心のなかの美術館」に2年連続で参加し、初めての野外での作品発表をおこない、さらに昨年からは国内の生活と制作の拠点を奈良県東吉野村に移し、生活の中心に制作活動が自然と成り立つ環境を整えながら日々の制作をおこなっています。
この間、小松原の描く画面や制作の方法にも大きな変化が現れています。画面上の無意味な状況を持続した、墨をベースとしたモノクロームな絵画としての表現を続ける一方で、これまで展示会場で継続的に画面を描き加えていたライブドローイングの手法は必須では無くなりました。彼の描きから意味のあるモチーフが生成され、それを打ち消すようにさらに新たなモチーフを加えて描くといった堂々巡りな制作過程も、新たな描きの展開によって影をひそめるようになります。また、これまで線描をベースにしていた画面構成は、太い筆や刷毛から筆を使わないものまで、画面への描き、着色のバリエーションを広げる志向へ転換しています。主体的な画面の操作の現れであったこれまでの細い線描の表現から、彼の外にある要素やその作用を積極的に作品に取り込もうとする姿勢の現れとして、これらの変化は近年の活動や制作環境から彼の中に自然と反映されたもののように思います。
本展は、多数の絵画作品の集合体としての展示空間を構築し、小松原のいま現在の「絵画/画面」への向き合い、関心事を捉えることを狙いとします。個々の絵画としての画面に集約され、断片化されていくような本展の空間は、自らの描きで空間を主体的に埋め尽くすことで直接的に彼のテーマを表現していた従来よりも、鑑賞者にその判断や解釈を委ねられる環境になることでしょう。そして、これまでの様々な発表形態を経て、絵画を起点とした作品制作に立ち戻ろうとしている小松原の視点を、みなさまと共有できる機会になれば幸いです。
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小松原 智史《コマノエ》(部分) 2021-22年【出品予定作品】
墨、ジェッソ、和紙、石膏、膠、樹脂、パネル
![2206komatsubara2-1](https://thethree.net/wp-content/uploads/2022/04/2206komatsubara2-1.jpg)
ジローナ(スペイン)での滞在制作の様子(2020年7月)
「MATERIAL INCIDENT」展示風景(DUAL GALLERY、ジローナ・スペイン、2020年)
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![2206komatsubara3-2](https://thethree.net/wp-content/uploads/2022/04/2206komatsubara3-2.jpg)
「MIND TRAIL-奥大和 心のなかの美術館」展示風景(上・2020年/下・2021年、共に奈良県曽爾村)
![2206komatsubara3-3](https://thethree.net/wp-content/uploads/2022/04/2206komatsubara3-3.jpg)
個展「巣をたてる」展示風景(2018年、the three konohana)
2022-02-28「Gallery Collection 2022」2022年3月5日(土)~27日(日)[*4月中は予約制]
「Gallery Collection 2022」
2022年3月5日(土)~27日(日)(* 4月中は予約制)
出品作家:加賀城 健、加藤 巧、森村 誠
[定期オープン]
会期:2022年3月5日(土)~27日(日)
開廊時間:12時~19時(※3/18(金)は18時まで、3/20(日)は14時から)
休廊日:毎週月~木曜、3/25(金)
[予約制オープン]
会期:2022年4月中
※ 予約制オープン中にご来廊をご希望の方は、SNS(Twitter、Facebook、Instagram)のメッセージまたはメール(info(at)thethree.net)にて、ご希望の日時を明記の上、ご希望日の2日前までにご連絡ください。
※ 当方の都合により、ご希望の日時に添えない場合がございます。なにとぞご了承くださいませ。
※ なお、定期オープン中も休廊日および開廊時間外でもご覧いただける場合がございますので、お気軽にお問い合わせください。
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このたびthe three konohanaでは、3月5日(土)より「Gallery Collection 2022」を開催いたします。3月中は原則金曜~日曜に開廊し(一部休廊日があります)、4月中は予約制にてご覧いただけます。
昨年から今年にかけて弊廊の企画で個展を開催した加賀城 健、加藤 巧、森村 誠の3名の作品をご紹介いたします。当時の個展の出品作を中心に、未発表作やそれ以前の作品もあわせてご覧いただけます。
昨年から現在にかけてもコロナの影響などで、彼らの個展にどうしても足を運ぶことが叶わなかったという方も多くおられると思います。ぜひこの機会に、3名の作家の当時の発表の一端を一堂にお楽しみいただければ幸いです。
加賀城 健《Transfer-dyeing (Sanctuary #3)》2022
レーヨン・ポリエステル混紡布、染料、木枠/糊防染、移し染 110.0 x 110.0 cm
加藤 巧《Tanktop》 2021
顔料、漆喰、蜜蝋、乾性油、Jesmonite AC100、服、木材、アルミ材 58.5 x 43.0 cm
森村 誠《a Book of OTW 3》 2021
地図、修正液、糸、布、紙、革 18.5 x 13.5 x 5.0 cm
2022-01-06加賀城 健「Manipulation / Interchange」2022年1月6日(木)~2月13日(日)
・加賀城 健「Manipulation / Interchange」前期展 展示記録
・加賀城 健「Manipulation / Interchange」後期展 展示記録
加賀城 健「Manipulation / Interchange」
2022年1月6日(木)~2月13日(日)
前期:1月6日(木)~16日(日)[※10日(月・祝)は開廊します]
後期:1月27日(木)~2月13日(日)
休廊日:毎週月~水曜、1/17~26(展示替えのため)
開廊時間:12:00~19:00
会場:the three konohana
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このたびthe three konohanaでは、弊廊では4年半ぶりとなる加賀城 健(KAGAJO Ken, b.1974)の個展を、前後期に分けて開催いたします。
前回2017年の弊廊での加賀城の個展「Physical / Flat」は、彼の20年来の制作活動の変遷を振り返ることを目的に、弊廊での2期に分けた過去作中心の展示と、アートフェア「ART OSAKA 2017」での新作中心での展示の3部構成でおこないました。染色と現代美術の領域と行き来しながら多岐に展開されてきた彼の表現を、「身体性(Physical)と「平面(Flat)」の視点から捉え直し、染色表現を起点としたアプローチが、当時の現代美術の表現動向やその論点にその都度結び付いていたことを示す機会となりました。
この個展の直後に、加賀城は金沢美術工芸大学の専任教員に着任し、活動の拠点を石川県に移して4年が経過しました。その間、染色の素材・技法の研究とそれに基づく作品制作・発表に一層励みながらも、後進の教育・指導にも勤しみ、新たな制作環境の下で、彼の思考には少しずつ変化が生じてきています。
作家としての自らの姿勢を後進に示そうとする中で、感覚的な制作手法を抑え、論理的にそれを選択する意識が高まったと加賀城は言います。彼がいま強く関心を寄せているのは、以前より彼の制作テーマの一つであった「他力」と呼ばれる領域を、より積極的に作品に取り込むことです。彼の作品を構成する主な素材である布や染料としての水、糊などの性質を、実験と観察を幾度と重ねて理解することは以前より大切にしていましたが、作品制作において自身が取り組む領域と、自然の現象に委ねる領域を、いかに理知的に定めていくかに思考を向けています。近年の作品は染色技法のレイヤーが複雑化し、表層的には制作のプロセスが捉えにくい視覚構成になっており、加賀城の積極的な手技による経験の再構築と研究意欲が随所に垣間見られます。
本展は、前期の2週間と後期の3週間それぞれに、最新作を中心に展示手法や作品の形状が異なる2種類の個展形式で構成します。石川に制作の拠点を移して4年、大阪の頃から変わらない加賀城の制作意欲と、加賀城が捉えている今後の表現の射程を、久しぶりの大阪、かつ現代美術の領域での発表の中で、みなさまと共に触れる機会になれば幸いです。
加賀城 健 出品予定作品(部分)
加賀城 健《Manipulation-Mentor》2021
綿布、染料/指による糊置、糊染 280×1000cm[撮影:佐久間秀樹]
加賀城 健「Physical/ Flat」展示風景(2017年、the three konohana)[撮影:長谷川 朋也]