2017, EXHIBITIONS, PAST

加賀城 健 「Physical / Flat」 2017年6月16日(金)~8月6日(日)

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加賀城 健 「Physical / Flat」 前期<Physical Side> 展示記録

加賀城 健 「Physical / Flat」 後期<Flat Side> 展示記録

加賀城 健 展に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介

 

加賀城 健 「Physical / Flat」
2017年6月16日(金)~8月6日(日)

開廊時間:12:00~19:00 (7月7日(金)~9日(日)は12:00~18:00)
休廊日:毎週月・火・水曜、7月6日(木)、7月13日(木)、7月14日(金)
会場:the three konohana、ホテルグランヴィア大阪26階6106号室(7月7日(金)~9日(日)のみ)

レセプションパーティー:7月15日(土)17時~ the three konohanaにて

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このたびthe three konohanaでは、弊廊では3度目となる加賀城 健(Ken Kagajo, 1974)の個展「Physical / Flat」を開催いたします。
本展は、これまで20年余りにわたる加賀城の制作活動を振り返り、今後の展開を見据えることを目的として、3種類の展覧会で構成するものです。出品作品は新作から過去作、再制作の作品まで、回顧展、新作展といった時間のカテゴリーに留まらない形式にて、彼の制作活動の遍歴を再構成してご紹介する機会といたします。

・ 前期 <Physical Side> 6/16(金)~ 7/9(日) @ the three konohana
・ 後期 <Flat Side> 7/15(土)~ 8/6(日) @ the three konohana
・ ART OSAKA 2017 <New Works / Extention> 7/7(金)~ 9(日) @ ホテルグランヴィア大阪6106 号室

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加賀城は、学生時代に学んだ「染色」の技術とその思考を基に、これまで多種多様な作品を制作し続けてきました。単に染色表現の拡張に留まらず、美術と工芸の関係性を素材技法と視覚の問題から探るもの、布の素材感から触覚へと誘導するもの、独自の制作プロセスによる身体感覚の喚起など、造形表現として多岐にわたる視点・論点を生み出し続けてきたことが、彼の制作活動の特徴と言えるでしょう。また、作品としての形態も、平面絵画を意識したものから、空間性を強調したインスタレーション、工芸品の形態をそのまま残したものなど、美術と工芸の領域を常に行き来しながら、単一の手法や思考にとらわれないスタンスを持ち続けています。

本展では、これまでの加賀城の制作の展開を、二つの要素から捉え、考察していくことを目指します。前期の<Physical Side>では「身体性」、後期の<Flat Side>では「平面性」をそれぞれキーワードに、過去作および再制作の作品を中心に展覧します。さらに弊廊が出展するART OSAKA 2017では、加賀城の個展形式にて新作を中心にご紹介します。

彼の身体性と平面性、2つのスタンスが独立してあるという意味ではなく、双方の要素がその都度作用して作風の広がりが生み出され、彼の表現の本質へ深化していくプロセスを、3種類の展覧会を通じて見出していければと思います。ぜひこの機会にご高覧賜りますよう、お願い申し上げます。

 

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《Discharge―かみなりおこし》 別珍、ハイドロサルファイト 184.0 x 500.0 cm 2006 年

 

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前期 <Physical Side>
6/16(金)~ 7/9(日) @ the three konohana

初期の加賀城を代表する表現手法に、数十メートルの長い別珍の布の上に置いた糊をスキージーで引きずり、その痕跡を脱色や染色で浮かび上がらせる一連の作品があります。彼が直接布に触れた痕跡を際立たせることにより、触感を喚起させると同時に、様々な力の有りようにも意識を傾けさせようとします。染料が布上を自由に動いて、染み込む流れにおける力。柔らかい布に張力を与えることにより、柔らかさと硬さそれぞれを印象付ける力など。加賀城の身体性を起点にした表現には、力の作用に依って複数の視点が同時に立ち上がる傾向が見られます。

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[写真左] 《25 メートルのストローク- 恒星》 別珍、染料 92.0 x 250.0 cm 2002 年
[写真右] 《Strokes テント- 分心》 染料、綿布、バインダー、グラスファイバー、金具 90.0 x 180.0 x 120.0cm 2012 年

 

後期 <Flat Side>
7/15(土)~ 8/6(日) @ the three konohana

30 代に入り、脱色によるモノトーン中心の表現から、複数の染色技法を駆使した色彩豊かな表現へと展開していきます。染色表現がタブローとしての絵画に比肩するために強調すべき要素は、染料が布に染み込んでいく純然たる平面性だと加賀城は常々主張しています。染色の副次的素材であるバインダーやラメ、また別の布の素材をコラージュ的手法として用いることで、物理上の平面性を逆説的に強調する作品を多数制作してきました。近年はシェイプドキャンバスの手法による作品も発表するなど、染色と絵画の対比を通じて、平面表現の更なる可能性の追究に取り組んでいます。

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[写真左] 《Surf’s Up /王国》 染料、綿布、バインダー、ワッペン 220.0 x 300.0 cm 2011 年
[写真右] 《それでも起きて歯を磨く》 染料、綿布、レーヨン、木材 90.0 x 82.0 cm 2015 年

 

ART OSAKA 2017 <New Works / Extention>
7/7(金)~ 9(日) @ ホテルグランヴィア大阪6106 号室

ホテルグランヴィア大阪で開催するアートフェア「ART OSAKA 2017」。弊廊ブースは加賀城の個展形式にて、新作を中心にご紹介します。弊廊で開催中の前期展示も合わせてご覧ください。

□ 開催日時|2017 年7月7日(金)-9日(日)
・プレビュー:7月7日(金)14:00-20:00 ※招待客・プレス関係者のみ
・一般公開:7月8日(土)11:00-20:00、7 月9日(日) 11:00-19:00 ※ご入場はフェア終了の1 時間前まで
□ フェア会場|ホテルグランヴィア大阪 26 階( 530-0001 大阪府大阪市北区梅田 3-1-1)
□ 入場料|¥1,500 / 1 Day Pass
□ 主催|ART OSAKA 実行委員会  http://www.artosaka.jp/

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[写真左] 《Young Views ‒ 水をかえる》 染料、コットンサテン 90.0 x 90.0 cm 2017 年
[写真右] 《素晴らしい地獄めぐり #2》 染料、コットンジャージ、綿布、バインダー 60.0 x 40.0 cm 2017 年


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Posted on 2017-06-16 | Posted in 2017, EXHIBITIONS, PAST |

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