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Konohana’s Eye #2 加賀城 健 展「ヴァリアブル・コスモス|Variable Cosmos」

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・加賀城 健 展を振り返って

・加賀城 健 展「ヴァリアブル・コスモス|Variable Cosmos」 展示風景

・加賀城 健 展に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介

 

Konohana’s Eye #2
加賀城 健 展「ヴァリアブル・コスモス|Variable Cosmos」
2013年9月6日(金)~10月20日(日)

開廊時間:木~日曜 12:00~19:00
休廊日:毎週月~水曜
会場:the three konohana

オープニングパーティー:9月6日(金)17時~21時

 

★ 加賀城 健 ワークショップ 「このはなの日」 カラフルハンカチをつくろう!!

the three konohana にて個展を開催中の加賀城健さんによる染色のワークショップを、10 月12 日( 土)、13 日( 日) に開催する「このはなの日 2013」にあわせて開催いたします。
加賀城さんの作品は、染料で意図しない偶然的な鮮やかな色やかたちを布の上に染めたものです。
「このはなの日」のロゴがプリントされたハンカチに、ユニークな絞り染めの方法から一つを選んで参加者自らで染めてもらい、自分だけのオリジナルハンカチを持ち帰ることのできるワークショップです。
子どもも大人も簡単に楽しめますので、ぜひお気軽にご参加ください!

□ 開催日時:10 月12 日( 土)、13 日(日) 13 時~ 17 時(※ 荒天時中止)
□ 会場:合同ビル玄関前広場(the three konohana の左隣)
□ 定員:1 日50 名まで(予約不要、定員になり次第終了)
□ 参加費用:ハンカチ1 枚 500 円(当日その場でお持ち帰り可能です)

協賛:株式会社 田中直染料店

* * *

このたびthe three konohanaでは、加賀城 健(KAGAJO Ken, b.1974)の個展を、Konohana’s Eyeの第2弾として開催いたします。

近年の日本の現代美術の領域における工芸の取り上げ方については、いささか現代人の思考に迎合していると感じざるを得ません。工芸の「ものづくり」的解釈に基づいた明確な手仕事の量的蓄積や、実用性に由来するスタイリッシュなフォルムなどの着眼には、コマーシャル的なポピュラリティーの創出が優先されているように思えます。「きれいかつ丁寧な造形」としての単純明快な基準が、これまた単純明快な権威である工芸の伝統によって支えられるという構図で、現代美術の領域に受け入れられている状況は、本来の現代美術の方向性との矛盾を感じざるを得ません。現代美術とは、既存の価値観にはないイレギュラーなものを取り上げることで、そこから未来への指針や方向性を見いだすものとしてあるべきと考えます。工芸の既存のフォーマットをただ現代美術にシフトさせることだけで、果たして未来に受け入れられる正統な革新となりうるのでしょうか。

加賀城は、これまでの作家活動の中で培ってきた、染色の伝統的な技法および素材における豊富な知識を駆使して、それらを現代的な表現へと昇華させていく多種多様な作品群を生み出し、工芸と現代美術双方の領域で国内外問わず精力的な発表活動を続けてきました。昨秋の『奈良・町家の芸術祭 HANARART 2012』のメイン会場の一つ、大和郡山市の遊郭建築、旧川本邸で開催された『「記憶」をゆり動かす「いろ」』展で発表した、建物内の吹き抜けの中庭を巨大な2本の鮮やかな布で包み込んだダイナミックなインスタレーションは、まだ多くの方々の記憶に新しいかと思います。

布に色を差して描く染色と、色を抜いてかたちを表出させる脱色。加賀城はこれらの対照的な技法を使い分けながら、自らの身体感覚を反映させるための積極的なアプローチと、染料や糊などの素材の特性による自然かつ偶発的な反応に委ねるアプローチを、その場に応じた的確なバランスで作品上に反映してきました。こうした意識の先に行き着くものは、染色が作り出すミクロとマクロの宇宙の共存だと加賀城は言います。両極にある表現や概念の存在を常に意識して、染色の素材や技法が直接的に表出させた細部の質感や触感を喚起させるミクロの視点と、染色を施した布の実用性を誇張させることにより空間性を強調するマクロの視点が、彼の表現においては常に平等のものとしてあります。この彼の揺るぎ無い平衡感覚が、染色と現代美術双方の領域を横断することを可能にしています。あえて明解なものは選択せず、両者の狭間にある未知の概念に自らを没入させることに意識を置き続けているのです。

2年ぶりの個展となる当展は、これまでの加賀城の「空間概念」への多様な解釈を一度に集結させ、平面性と空間性があらゆる形態で並存するインスタレーションに主軸を置いた展示となります。加賀城の技術や表現によって恣意的に操作されるもの、鑑賞者の視点や感覚によって左右されるもの、そして弊廊の空間の特性が反映されたもの、それらが無数のバランスでもって、可変的なインスタレーションが構築されていきます。彼にとって、ここ10年継続してきた工芸と現代美術双方へのアプローチが一つの世界観の中で結集される、近年の総決算的な内容となります。そこには安易な単一のキーワードはありません。あえて加賀城自らが置かれた立場に忠実に、淡々とヴァリアブルな空間かつ宇宙をここでつむいでいくこととなるでしょう。

工芸と現代美術、複数の領域を横断する表現が提示すべきものについて、現代の私たちの思考を問い直す機会になればと思います。ぜひご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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《銀紙噛ム》 綿布、藍、バインダー/藍染、捺染 30 x 30 cm 2013 【当展出品作品】

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Posted on 2013-09-06 | Posted in 2013, EXHIBITIONS, PAST |

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