REVIEW

「伊吹拓展」会期折り返しです!

130411voice

先月15日のオープン以来、続々と多くのみなさんにギャラリーへお越しいただき、まことにありがとうございます。ttkの売りの一つである、展覧会の会期1ヵ月半もちょうど折り返しを迎えようとしています。1ヵ月半という会期に設定している理由は、お見逃しの無いようにということ、そして展示や作品、作家の世界観をみなさんの心により深く刻んでもらうために、会期中に複数回ご覧いただきたいという狙いがあります。

まだお越しになられていない方も、すでに各所で知られていると思いますが、ttkには2つの展示室があります。約37㎡のホワイトキューブの展示室には、この規模には珍しい約10mの長いまっ平らな壁面があります。そして、私のデスクの後ろをくぐると、まさに此花梅香地区の生活単位とも言える、6畳一間の和室があります。まさに対極にあると言える二つの展示空間を、自らの表現のためにいかに効果的に使いこなすか。これは、今後ここで展覧会を作っていく作家やディレクターにとっては高いハードルであり、展示をすること企画をすることにおいては大きな醍醐味だと思います。

そんなttkの空間で最初の展示をおこなった伊吹さん。ttkのオープニングを飾るタイミングが彼の様々な要素と交じり合って、明らかにこれまでの作風からの新たな展開を垣間見られる内容となっております。これからギャラリーにお越しいただく方には、ここで話すとネタばれになってしまうのでほどほどにしておきますが(笑)、特にホワイトキューブの展示室の10mの壁面に並ぶ大作たちは見ごたえ十分です!階段を上がり終えた瞬間に、この荘厳な大画面がみなさまを出迎えてくれます。伊吹さんの「絵画」そのものに対する意識の強まりを、ここでしっかりと感じていただければと思います。

そして、奥にある和室の展示室にあるWork in Progressの作品も、昨日2度目の加筆が加えられて、新たな画面に塗り替えられました。2週間前の加筆よりもかなり大規模なものとなって、前回前々回の画面の面影は全く見られないほどになっております。そして、加筆の度に起きることですが、油絵具の匂いはスペース全体に充満しております(笑)。

この作品の見どころは、絶対に日中だと私は思います。南向きのベランダの窓から差し込む陽光が、伊吹さんのみずみずしい画面に触れると…。この作品が提示する絵画としての意識は、ある意味ホワイトキューブに展示している作品とは対照的なものです。

自発的かつ積極的なアプローチと、他者や偶然性に委ねるアプローチ。この絵画そのものに対する両極の概念の「ただなか」にいる感覚を、ぜひ当展の展示空間の中で直接触れていただきたく思います。会期もあと4週間余り、展示空間に変化が生じる余地がまだ随所にあります。引き続きみなさんのお越しをお待ちしております!


Tags:
Posted on 2013-04-11 | Posted in REVIEW |

Related Posts