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加賀城 健「ニュー・ストロークス」2025年10月18日(土)~11月30日(日)

加賀城 健「ニュー・ストロークス」
2025年10月18日(土)~  11月30日(日)

開廊時間|12:00~19:00
休廊日|毎週月・火・水曜

会場|the three konohana

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このたびthe three konohanaでは、弊廊では約3年半ぶりとなる加賀城 健(KAGAJO Ken, b.1974)の個展を開催いたします。

加賀城は、染色の手法を軸に、工芸と美術の狭間を探究する表現に一貫して取り組み続けています。2022年に弊廊で開催した前回の個展「Manipulation / Interchange」では、染色の技術における自力と他力の手法の対比と、布の特性を様々な形状や展示方法で強調した発表を前後期に分けておこないました。さらに昨年2024年の年末から今年の年初にかけて、富山の小矢部市美術館・アートハウスおやべにて開催した個展「一つのメルヘン」では、全長25mの作品をはじめとした長大な布に多様な染色表現を施した作品群などで構成し、彼にとって過去最大規模の作品発表となりました。近年の彼の制作では、新たな染色の技術や材料の知識を積極的に取り入れつつ、これまでに習得した様々な技法や展示手法を混交させながら、染色表現のさらなる拡張を推し進めることを志向しています。

本展では、「Strokes」シリーズの最新作を中心に展開します。当シリーズは、布の上に置いた大量の防染糊をシルクスクリーンのスキージで引き摺った後に、染色または脱色でその痕跡を露呈させる表現として制作を始めました。現在に至るまでも、当シリーズは随時新たな要素を加えながら制作を重ね、また他のシリーズの制作にも部分的に応用・活用することもある、彼にとってはライフワークの一つと言える表現です。また当シリーズは、彼が作家活動を始めた当初の表現手法でもあり、また10m以上の布を用いた大作で発表することが多かったことから、彼の活動を若い頃から知る方々にとっては、彼の代表的な表現の一つとして認識されています。
そしてこの「Strokes」シリーズには、四半世紀にわたる彼の作家活動に通底するテーマの中心にある「身体性」が色濃く反映されています。制作における彼の身体の動きやその強弱、さらに布に身体が接触する触覚といった、身体と布との関係について様々な視点で想像力を喚起させるものとして、彼の染色表現の独自性を語る上で外すことのできない手法です。

本展の出品作には、直近の富山での個展で初めて発表した袋状の作品から、新たな制作方法を取り入れたものまで、「Strokes」シリーズの表現の更新を模索する加賀城の身体と思考のプロセスが随所に垣間見られます。彼が長年取り組んできた一つのシリーズの現在地を通じて、彼の染色表現への意欲的な探究心に触れる機会になれば幸いです。


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Posted on 2025-09-25 | Posted in EXHIBITIONS, UPCOMING |

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