Author Archive
2013-04-01森村 誠 Makoto Morimura
– artist –

1976
・山梨県生まれ
1997
・大阪美術専門学校 国際芸術学科 絵画専攻 卒業
2000
・英国国立ノッティンガムトレント芸術大学 卒業
〈主な個展〉
2002
・SUMISO (大阪)
2005
・ギャラリーツインスペース (大阪)
2007
・Maison Internationale (パリ/フランス)
2008
・Gallery OUT of PLACE (奈良/’10、’12)
2009
・TOKIO OUT of PLACE (東京/’12、’13)
2011
・STREET GALLERY (神戸)
2012
・Ethan Cohen Fine Arts (NY/アメリカ)
2013
・山梨県立美術館 ギャラリーエコー (山梨)
・MoMa Studio & Project Room 405 (大阪)
2014
・2kw gallery (大阪)
2015
・「Argleton -far from Konohana-」the three konohana(大阪)
・「A girl named Rita」ART SPACE ZERO-ONE(大阪)
2017
・「THC」Calo Bookshop & Cafe (大阪)
・「OTW」the three konohana
2020
・「OUT of PLACE」the three konohana
2021
・「the Language Study Methods for the Beginners」SYP Gallery(東京)
・「the City of Patchworks」おさんぽ 座・ギャラリー(大阪)
・「Art, Wind & Morimura」KAZE ART PLANNING、MoMa Studio & Project Room 405(大阪)
2022
・「the Cityscape」クロスホテル大阪 MEET LOUNGE(大阪)
〈主なグループ展〉
2005
・「Detroit Video and Film Festival」Museum of New Art (デトロイト/アメリカ)
2006
・「gallerism 2006」大阪府立現代美術センター (大阪)
2007
・「Espace Cartographique」 Fondation de Etats-Unis (パリ/フランス)
2008
・「Talk & Exhibition 2008 – Video Art Activities」Ox Warehouse (マカオ/中国)
2009
・「art_icle Award 2009」デザインフェスタギャラリー (東京/ソウル、北京を巡回)
2012
・「DAN T”EA -Contemporary Japanese Tea Ceremony for MEN」新宿伊勢丹 (東京)
2013
・「ボーダーレスのゆくえ」なんばパークス (大阪)
2015
・「第18回岡本太郎現代芸術賞展」 川崎市岡本太郎美術館(神奈川)
・「Typojanchi 2015 4th International Typography Biennale」(ソウル/韓国)
2016
・「幻想の質量」 2kw gallery(大阪)
・「記憶と情報」 ナレッジキャピタル・ナレッジサロン(大阪)
・「MIIT LOOK」 MIIT House(大阪)
2018
・「Exhibition Design Art of Asian Regionality and Climate in Phnom Penh 2018」Royal University of Phnom Penh(プノンペン/カンボジア)
2020
・「Overview」SYP Gallery(東京)
2022
・「Parts」ルンパルンパ (石川)
・「PRISM 2022」コンテンポラリーアートギャラリーZone(大阪)
[主な受賞]
2014 第18回岡本太郎現代芸術賞 入選
[助成]
2012 公益信託 大木記念美術作家助成基金
2018 関西・大阪21世紀協会 ソフィア基金

《OUT of PLACE》 地図、修正液 90.0 x 90.0 x 可変 cm 2020

《Collins Pocket Italian Dictionary <English:16064g, Italian:11969g>》 イタリア語-英語辞書、コニカルビーカー 2021
2013-04-01新野 洋 Hiroshi Shinno
– artist –

1979 京都生まれ
2003 京都造形芸術大学 洋画科 卒業
2008 ウィーン美術アカデミー(Akademie der bildenden Künste Wien)卒業
[主な個展]
2008
・「Insects」SONGSONG(ウィーン/オーストリア)
2009
・「Viennafair」(ウィーン/オーストリア)
2010
・「ふゆむしなつくさ」TANADAピースギャラリー(京都)
2011
・「いきとし”いきもの”」YOD Gallery(大阪)
2012
・「いきとし”いきもの”/アートフェア東京2012」東京国際フォーラム[YOD Galleryから出展]
・「いきとし”いきもの”」銀座三越(東京)
・「いきとし”いきもの”/Art Taipei 2012」(台北/台湾)
2014
・「幻想採集室」YOD Gallery
・「Mikrokosmos⇔Makrokosmos展」軽井沢ニューアートミュージアム(長野)
2015
・「VOLTA NY」(ニューヨーク/アメリカ)[YOD Galleryから出展]
・「VOLTA 11」(バーゼル、スイス)[YOD Galleryから出展]
2016
・「新野洋 個展」Gallery Den mym(京都)
・「日月の江[APMoA Project, ARCH vol. 19]」愛知県美術館(愛知)
・「PULSE Mimi Beach 2016」(フロリダ、アメリカ)[YOD Galleryから出展]
[主なグループ展]
2008
・アーティスト・イン・レジデンス「 Aquarell Happening」(チロル/オーストリア)
・「We」MARIO MAURONER CONTEMPORARY ART(ザルツブルグ/オーストリア)
・アーティスト・イン・レジデンス「European Researchers Night」BIO CENTER(ウィーン/オーストリア)
2011
・「奈良・町家の芸術祭 HANARART 2011」宇陀松山・黒川本家、千軒舎(奈良)
・「里山実験室」まつだい「農舞台」ギャラリー(新潟)
2012
・「Art in the office 2012 CCC AWARDS」代官山Tサイトガーデンギャラリー(東京)
・「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012」越後松之山 森の学校キョロロ(新潟)
2013
・「回遊De Art 2013」回遊美術館(東京)
・「夏の思い出森の夢」ヤマザキマザック美術館(愛知)
2014
・「夏休み!いきもの図鑑」群馬県立館林美術館
2015
・「これ、すなわち生きものなり」ボーダレス・アートミュージアム NO-MA (滋賀)
2017
・「Phenotype」マリー・キアケゴー・ギャラリー(コペンハーゲン/デンマーク)
・「わたしとしぜんと」瑞雲庵 Zuiun-an(京都)
・「学園前アートフェスタ 2017 」淺沼記念館(奈良)
2018
・「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018」越後松之山 森の学校キョロロ
2020
・「害蟲展 ~悪モノにされたいきものたち~」ego Art & Entertainment Gallery(東京)
・「第15回大分アジア彫刻展」朝倉文夫記念文化ホール(大分)
[作家HP]http://hiroshishinno.com/

《2019.8.28, Niigata,Japan(進化のパズル)》 合成樹脂、ピアノ線 W240 × D140 × H240 ㎝ 2019

《日月の江》 FRP、珪石、LED W265 × D560 × H86 cm 2015

《6.4.2008, Wien. Österreich》 ポリウレタン樹脂、アクリル W15.0 × D3.0 × H3.0 ㎝ 2008
2013-03-31KAMO 3rd Meeting 【4/13(土)20:00〜】

2013年4月13日(土)20時~23時(19時半開場)
会場:OTONARI(大阪市此花区梅香1-15-18 梅香堂のお隣)
トークゲスト:高坂 玲子さん(大阪府立江之子島文化芸術創造センター・アートディレクター)
オープン2年目を迎えるenocoこと大阪府立江之子島文化芸術創造センターの仕組みや活動から、高坂さんがこれまで携わってこられた、大阪の様々なアートプロジェクトについてをお話いただきました。
2013-03-27「このはなのただなか」 伊吹 拓

ここはどこで、あなたはどうして絵の前に立ち、なにがココロに映る。
2013年の春、此花で絵を展示し、たくさんの人に観てもらっています
中途半端とはまた違う、易さと難さの間をさまよう土地。
でもそこに集う人たちは自然と笑顔で、自分に与えられた長い時間の中の“ただなか”に
チャンスを感じている。
the three konohanaが閉まる時間になると、今日は今からどう過ごそうか?
もうふたつの銭湯で疲れをとるどころか意気を溜め込み、OTON△RIでおいしいゴハンを食べる。
おいしいのはゴハンだけじゃなく、ひとがおいしい。
これから花が咲き、陽気に包まれる普段どおりの春が広がる。たまには絵を描くこともあるけれど、
ここに流れる普段どおりの春をめいっぱい楽しむことが楽しみ。
2013-03-24「ボーダーレスのゆくえ」展、なんばパークスで開催中!

本来であれば、伊吹展からご紹介すべきなのですが、こちらの企画が先に終了しますので順番が逆ですが…。
21日よりなんばパークスの7Fパークスホールにて、「ボーダーレスのゆくえ」展を開催しております。こちらは私、山中のインディペンデント・キュレーターとしての企画になります。
私の母校(私は大学院のみです)の大阪芸術大学出身で、現代美術のフィールドで一定の評価を得て活動している作家を紹介する企画として、昨年の「リアリティとの戯れ」からシリーズ化していく方向で進めている展覧会の2回目です。昨年は30歳前後のアニメや漫画に一定の影響を受けている具象作家に焦点を絞りましたが、今年は対照的に20代半ばから40代前半までの幅広い世代で、表現媒体も多種多様な作家で構成しております。
キーワードは「ボーダーレス」。近年、アートの領域のみならず社会の様々な領域で「ボーダーレス」的思想が蔓延していますが、私はそこに強い疑問を持っていました。現在の社会情勢に大きく影響されていることではありますが、一つの物事に対して深く探究する意識や体力がないから、自らを表面的に大きく見せるだけのために周辺領域を巻き込んでいるのではないだろうかと。そういう疑問を投げかけるために、学生時代に在籍し学んでいた領域から距離を置いたりまたは越境することで自らの表現スタイルを見出して、現在では各所で一定の評価を得ている作家たちをセレクトした展覧会といたしました。
こちらttkの伊吹さんの企画にも、その意図は繋がっております。ギャラリーのオープニングを飾る作家のセレクトは、巷でのギャラリーのイメージがそこではっきりと形成されていくものなので、とても慎重におこなっておりました。今の「現代アート」的な作家をするのではなく、この「ボーダーレス」の再検討のために、あえて従来からある領域に固執しながらも次の進展へとあくなき追求を続ける「抽象表現のペインター」の伊吹さんをセレクトしたのです。一見伊吹展とボーダーレス展は対照的な企画のように見えますが、自らの表現とルーツの立ち位置についてきちんと整理しながら実践している作家を一貫して選んでおりますので、私にとっては同じ評価軸の中にある両企画です。
伊吹展はまだまだGWまで開催しておりますが、「ボーダーレスのゆくえ」は来週日曜日31日までです。また明日日曜日には、美術ライター小吹隆文さんとのトークショーもございます。伊吹展と共に、「ボーダーレスのゆくえ」もぜひお見逃しなく!!
2013-03-22無事オープンいたしました。

FBやツイッターではオープン後も情報を随時発信しておりましたが、オープン直後の慣れない諸作業に加えて、翌日のKAMO開催や週明けからのなんばパークスの企画の設営とオープンでなかなか時間が取れず、こちらのVOICEの活用が早速遅れ気味になっておりました(苦笑)。
改めまして、先週金曜日のオープニングパーティーには、地元此花の方々や美術関係者の方々を中心に、200人は超えているのではというほどの非常に多くの方々にお祝いいただきまして、本当にありがとうございました。また当日うかがえないということで、たくさんのメッセージやお花・お酒などを送っていただいた方々にも、お礼を申し上げます。
伊吹展も2週目に入りました。オープンの3日間はお客さまがひっきりなしにお越しいただきましたが、次週に入った今日は比較的ゆったりした時間が流れています。むしろ私の思いとしましては、ギャラリースペースの特性(大きく二つの展示スペースがあること)や、1企画1ヵ月半のスパンで設定していることもありまして、作品および展示にじっくりと向き合いながら楽しんでもらえる環境にしたいのです。まだまだこれから初めてお越しになられるという方も多いので、今の段階でのギャラリースペースのネタ晴らしは、このくらいにしておきたいと思います(笑)。
今回の展示には、伊吹さんのWork in Progressの作品もございます(会期中に作品が進捗して制作されて、制作途中の作品の様子をご覧いただけます)。ですので、GWまでの会期の間にオープニングにお越しになられた方はぜひもう一度、そしてまだお越しになられていない方も、最低2度はぜひお越しいただきたいと思っております。
今後こちらのVOICEには、オープニング展を飾った伊吹さんの声はもちろんのこと、今回のギャラリーオープンに多大なご尽力をいただいたプロフェッショナルな方々から、昨日から伊吹展と同時開催中の「ボーダーレスのゆくえ」展のお話など、いますぐにでもご紹介したい内容がたくさんあります。ということで、しばらくこちらの更新が続きますが、どうぞよろしくお願いいたします。
2013-03-21「ボーダーレスのゆくえ」@なんばパークス【3/21(木)〜31(日)】

山中俊広キュレーションによる企画展を、なんばパークスにて開催いたします。
the three konohanaと当会場は阪神なんば線で直通です。the three konohanaの伊吹展と合わせてぜひご高覧ください。
* * *
■開催概要
タイトル:
「ボーダーレスのゆくえ」 大阪芸術大学グループ 美の冒険者たち なんぱパークスアートプログラム vol.9
開催日時:
2013年3月21日(木)~3月31日(日) 会期中無休 11時~20時(最終日のみ17時まで)
出品作家:
山村幸則、森村誠、川瀬知代、岡本啓、山本聖子、山下智博、上瀬留衣
会場:
なんばパークス 7Fパークスホール http://www.nambaparks.com/
(〒556-0011 大阪市浪速区難波中2丁目10-70) 入場無料
総合ディレクター:谷 悟(大阪芸術大学 芸術計画学科 准教授)
キュレーター:山中 俊広(インディペンデント・キュレーター)
協賛:南海電気鉄道株式会社
協力:Gallery OUT of PLACE、Yoshiaki Inoue Gallery、GALLERY wks.
会場協力:なんばパークス
主催:大阪芸術大学グループ 主管:大阪芸術大学 芸術計画学科
* * *
□関連イベント
トークショー「近年の大阪のアートシーンと大阪芸大の変遷」
日時:3月24日(日) 14時~15時30分
出演:小吹 隆文(美術ライター)
山中 俊広(インディペンデント・キュレーター)
ギャラリートーク
日時:3月30日(土) 15時~16時
出演:田中 梨枝子(神戸ゆかりの美術館 学芸員)
高橋 真理子(大阪府立江之子島文化芸術創造センター アートコーディネーター)
* * *
■ 当展趣旨
近年、「ボーダーレス」という言葉や概念が巷に氾濫しているように思います。戦後日本の連綿と続いてきた社会構造の行き詰まりから、あらゆる領域に伝播しているものと言えます。その例に漏れず、現代の美術においても「ボーダーレス」を多用して、いまの表現の行き詰まりから自らを解放、進展させようと試みているように思えます。しかし、その導入は具体的な提示や分析よりも、表面的な新しさやプロセスのないゴールを伝えているに止まり、革新や努力といった印象の良い言葉のイメージを先行させようとする思惑を感じざるを得ません。
昨年開催しました「リアリティとの戯れ」展に続く第2弾となる当展では、現代の「ボーダーレス」思想の真っ只中で自らの表現の展開に挑む、表現手法が全く異なる20代から40代までの7名の作家をご紹介いたします。
彼らは母校などで学んだ専門領域や素材技法から、大きく越境したりその境界線を疑うことで得た世界観を在学中または卒業後に見い出し、それらを自らの表現 の主軸に置いて活動しています。作家としての活動を本格化させてからも、常に変化や流動性を作品を通じて積極的に提示し続けています。けれども、ただ 「ボーダーレス」を提示する安易な発想に止まっていません。彼らの表現には、明らかに各々のルーツに影響を受けた主題が作品の奥底に横たわっており、解釈次第では「ボーダー」に強く囚われているようにも見られます。まるで、両極の概念を不安定な天秤のバランスの中で常に調整しているかのようです。
社会的に本質が欠如していることを隠蔽するかのような「ボーダーレス」の多用の前に、まずどこに「ボーダー」があるのかを確かめる行為を、もっと私たちは意識的に取り組むべきです。自らのスタイルとそのルーツ、それらを明確に確かめた上で、自らの現在の立ち位置を知る。つまり、「ボーダーを知ることでボーダーレスを得る」意識を持って、この今の表現が掘り起こす新しさとは何かを追求していくべきではないかと思います。
「ボーダーレスのゆくえ」展 キュレーター 山中 俊広(インディペンデント・キュレーター)
2013-03-15Konohana’s Eye #1 伊吹 拓 展「”ただなか” にいること」

・ttk開廊および伊吹拓展に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介
Konohana’s Eye #1
伊吹 拓 展「”ただなか” にいること」
2013年3月15日(金)~5月5日(日)
開廊時間:12:00~19:00 休廊日:毎週月曜~水曜、3月21日(木)
会場:the three konohana
the three konohana 開廊パーティー/伊吹拓展 オープニングパーティー:
3月15日(金)17時~22時
* * *
the three konohanaのオープニングは、関西を拠点に精力的に活動を続けている絵画作家、伊吹 拓(IBUKI Taku, b.1977)の個展を開催いたします。
近年の抽象絵画の動向には、従来の美術史の文脈の継承よりも、現代社会や日常の生活にある具体的な要素を取り入れて、再構成するものが目立っているように思えます。二次元上の造形という観点から、デジタルの概念が市民権を得たことによるレイヤー的な表現。個々人の精神の不安定さの蔓延が着想となっている超感覚的とされる表現。積極的な思考の放棄による単純な行為の反復・蓄積といったものが挙げられます。これらの背景には、従来まで絵画のアイデンティティであったはずの二次元としての画面や造形の概念が、副次的なものとして扱われるようになったことも要因としてあります。モダニズムが終焉して以降、あらためて絵画そのものの概念の行き詰まりを感じさせるとともに、それを再追究する余地はまだ残っていないだろうかという思いに駆られます。
伊吹は、自らの存在と内面の世界を深く洞察し、それらを発露させるための抽象絵画に、学生時代から一貫して取り組んでいます。なかでも、彼の特徴的な表現手法とされているものが、絵具による「積層」を通じて随所に発生する「垂れ」や「滲み」です。彼にとって筆や刷毛によるストロークと等価とするこれらの手法には、彼らしい感覚が横たわっています。それは「委ねる」ことです。
そこには、アメリカ抽象表現主義以来常に語られてきた、偶然性や自然的なものによる平面絵画内への関与を見ることができます。彼はこの他力としての要素を作品に積極的に取り入れ、更には自己にも接触させることによる流動的な変 化を強く意識しています。また、近年彼が取り組んでいる屋外での展示でも、日々の時間や天気における光の変化によって、常に同じ視覚認識で作品を鑑賞できない過酷な環境に作品を置きながら、伊吹は絵画そのものへ客観的なまなざしを投げ続けてきました。
当展は、これまでの伊吹の一貫した制作意 識から次の段階を強く示唆させる、新作のタブローのみで構成いたします。目に見えて力強さを帯びたストロークと色彩が画面上に刻み込まれ、これまでの調和感が強かった印象から、まるでその静寂を破るような画面が現れます。これまで「委ねる」という意識の下で自然に寄り添ってきた感覚から、積極的な行為とし ての「描く」ことへの渇望が強まったこと、それが彼の作品に変化をもたらしているように思います。画面上には主観対客観の単なる二項対立に留まらない、一 種の不均衡さが作品全体に漂っています。そんな複雑に入り組んだ両者の関係性が、画面上の情景に無数のバリエーションを生み出し、それらの中から彼は自らの手に委ねながら選び、掴み取っていく作業を積み重ねています。
感情という私的な概念はあくまでも画面の一部分に留まり、明確な行為としての筆致と色彩が、視覚的にも概念的にも画面上に明快なコントラストを生み出しています。それは絵画という概念の中に、客観性を備えた彼の主観の現れと考え ることができます。他力に依存する感情よりも自意識を強めた「描く」行為を通じて、絵画への客観的なまなざしを向けること。当展において伊吹は、これまでの作家活動の中で見い出したあらゆる要素を全て画面上に撒き散らし、自らの絵画を構成する物事や概念、価値観、それらの境界線などの、まさに「ただなか」 に我が身を置くことになるでしょう。
弊廊のオープニング展は、あえて絵画そのものの概念や本質についてじっくりと考える機会になればと思います。ぜひご高覧賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

《midst》油彩、綿布 162 x 162 cm 2013 【当展出品作品】
2013-03-12KAMO 2nd Meeting 【3/16(土)20:00〜】

2013年3月16日(土)20時〜23時(19時半開場)
会場:OTONARI(大阪市此花区梅香1−15−18 梅香堂のお隣)
トークゲスト:大川 輝さん(POS建築観察設計研究所)、西山 広志さん・奥平 桂子さん(NO ARCHITECTS)
KAMOの本拠地でもあり、近年アート関係者の中でも注目が集まっている此花。
これまで現在に至る此花区梅香・四貫島地区のまちづくりの経緯から知られざる内情、そして今後の展望までをお話していただきました。
2013-03-12KAMO 1st Meeting 【2/4(土)20:00〜】

2013年2月4日(土)20時〜23時
テーマ:「KAMOとは?」
トーク:山中 俊広(インディペンデント・キュレーター)、森崎 幸一(関西アートカレンダー代表)、安川エリナ(関西アートカレンダー)、大歳 芽里(此花在住のダンサー・映像作家)
