REVIEW

2014-01-16
岡本 啓 展「Visible ≡ Invisible」 展示記録

撮影日:2013年12月19日 撮影:長谷川 朋也

 

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2014-01-14
「まよわないため」に、まよい続けること

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ttk2年目最初の展覧会がスタートいたしました。

11日から会期が始まりました「まよわないために -not to stray-」、最初の1週目は大変たくさんの方々にお越しいただきました。幸先良いttk2年目のスタートが切れましたこと、心より御礼申し上げます。

当展はDirector’s Eyeシリーズということで、ttkとしましても2度目のグループ展となっております。野口卓海さんのディレクションの下、ttkの空間をメディアの異なる4組の作家が構成しておりますが、昨年のDirector’s Eyeの結城加代子さんによる「SLASH」展と比較してご覧になられる方が多いかと思います。

昨年の結城さんの企画は、Director’s Eyeのこけら落としでしたので、この形式の完成モデルを提示していただくことを狙いとしておりました。結城さんのように第一線で活躍するディレクターを招くという意図よりも、これから表舞台にどんどん立っていくべき若手ディレクター・キュレーターに経験を積んでもらうことが、Director’s Eyeの本来の目的としております。

野口さんは、パブリックな会場での企画経験は多数積み重ねていますが、ギャラリーのような展示に特化したスペースでの展示は初めてになります。さらに、「まよわないために」の企画趣旨のように、現代の美術の文脈に特化したアプローチで展覧会を企画することも初めてのことです。一定の実績はあるけれども、更にここttkでの企画と展示を通じて、不足している経験を積み重ねて、今後のディレクター活動の展開への足がかりにしていただきたいと思っております。

野口さんのディレクターとしての個性は、これまでも多くの同世代の作家に対して執筆してきた評論文にあると思い、展覧会のオープンにあわせて新たなテキストを書いてもらいました。こちらはttkのみで配布しておりますので、お越しになられた際にはぜひご一読いただければ幸いです。また会期後半から終了間際に向けても、もう一度書いていただくようにお願いしております。

当展の展示構成も、昨年の結城さんの展示と対照的に4組の作家がはっきりと空間を分けた配置となっております。個々の作家の本来の表現プラスアルファによる展示内容から、80年代半ば生まれの作家たちの常々の表現の中にある共通点や相違点を探り出すことが目的となっていますので、その狙いにおいては意図どおりの展示となっております。じっくりと各作家の個性を認識していただき、また今回は久々に展示が一番奥のベランダまで広がっておりますので、ttkの空間を行き来していただきながら、彼らがいまの時代を「まよわないために」探り続けているものを一つ一つ見極めていただければと思います。

今年2014年のttkのラインアップは、30歳未満のいわば若手の作家・ディレクターで大半を占めています。当展も含め今年のttkの企画は、昨年と違って多少の荒削りさが随所に見られる内容になるかと思います。お越しいただきご高覧いただいたみなさまからは、ぜひ屈託ないご意見ご感想を多数お聞かせいただきたく思っております。みなさまの直接的かつ率直なお言葉を通じて、彼らの今後の成長と展開をサポートしていただければ幸いに思います。

 

2013-12-27
岡本 啓 展に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介

岡本 啓 展「Visible≡Invisible」につきまして、各所にてプレビュー・レビューをご掲載いただきました。

主だったご掲載記事を以下にまとめてご紹介させていただきます。当展をご紹介くださったみなさまに、心より御礼申し上げます。

 

・『美術手帖 12月号』 ARTNAVI(プレビュー/11月17日)

・「よしもと芸人 おかけんたブログ」(レビュー/11月29日)
http://nicevoice.laff.jp/blog/2013/11/post-3c1a.html

・『ホッと!HANSHIN 12月号』 「駅前探訪」千鳥橋駅編(プレビュー/12月1日)
http://www.hanshin.co.jp/area/ekimaetanbou/index.html

・Lmaga.jp「小吹隆文のアート男塾-12月の10本ノック」(レビュー/12月4日)
http://lmaga.jp/article.php?id=2571

・ブログ「アートのある暮らし allier style」(レビュー/12月11日)
http://allierstyle.blog.fc2.com/blog-entry-178.html

毎日新聞 関西版夕刊 文化面(レビュー/12月18日)

・ブログ「プラダーウィリー症候群(Prader-Willi Syndrome)の情報のメモ」(レビュー/12月26日)
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20131226/art

 

 

2013-12-12
加賀城 健 展を振り返って

ttkでは3つ目の展覧会となりました、加賀城 健 展「ヴァリアブル・コスモス|Variable Cosmos」。たくさんの要素がふんだんに盛り込まれた展示となりました。そんな中で加賀城さんが訴えたことは、複雑に入り組んだ作品と空間構成による網の中に理路整然と編み込まれていました。加賀城さん自身にとりましても、今回の個展がこれまでの作家活動において大きな転換点となったことは明らかです。当展では特筆したいポイントが数多くありましたが、加賀城さんの表現を語る上で決して無視できない、「現代の工芸と美術の関係性」と「空間との向き合い方」、以上2つのポイントにあえて絞って言及していきたいと思います。

 

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まず、今回の趣旨文で強調しておりました、現代の工芸と美術の関係について。近年、工芸の領域が現代美術の領域に積極的に参入している状況において、多くの例が美術のフォーマットに沿った作品を作ることによって、その領域横断を正当化している状況は明らかです。加賀城さん自身も、ここ数年は絵画のレイヤー(重層)をテーマとした発表を続けていました。しかし、今回の加賀城さんの出品作品には、過去にはほとんど例のなかった実用性を加味したものが現れました。浴衣の反物、屏風、そしてカーテン。本来であれば、工芸の典型である実用性を示すことは、美術作品の位置づけと対極にありますが、加賀城さんは「工芸/染色」そのものをコンセプトとし、それから浮かび上がってくる要素を取り上げることで、造形や表現における思想を現代美術との比較を通じて提示するという手法へと展開しました。

染色のフォーマットを分かりやすく見ると、染料と布の2つの素材の接触によって生じる反応現象と捉えることができます。しかし、染色の技法には、型染、ろう染、絞り染など、多種多様な技法があります。また布についても、同じ綿布であっても布の織り方や厚さによって、バリエーションは同じく多様です。これら両者の組み合わせによって、染色そのものの表現の広がりは無限にあるのです。今回の出品作品は、染色の領域の深さを提示するためにテクニックの組み合わせを絞らずに、あえて技法と素材の組み合わせを多数提示する内容としました。加賀城さんが初めて作品に使用した染色技法も見られました。さらに、ここ数年の作品の傾向であった、バインダーなどを使って分かりやすく布上にレイヤーを生み出す表現ではなく、染料や顔料を布に原則的に染みこませることで正当な平面性を実現する作品によって、より染色らしさを前面に押し出した内容となりました。

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2つ目のポイントは、加賀城さんの空間への向き合い方です。美術のカテゴリーではインスタレーションという言葉がふさわしいですが、空間と作品の関係性を多角的により深く表現できたのが、今回の展示だったと思います。

まず、染色と空間の関係性について。二次元が前提となる染色の素材を用いて、三次元性を鑑賞者に提示するために加賀城さんが強調したのは、布の質感と可変性です。ホワイトキューブの展示で象徴的だったのは、2面の壁を横断した浴衣の反物《Line》と、空間の中央に配置した屏風型の作品《たとえば千年の森の王子》の2作品の対比です。

これら染色した大きな布をピンで壁打ちするスタイルは、加賀城さんにとってはスタンダードな展示方法ですが、壁打ちの方法だけでも相反した意味がありました。仕立てられて実用性を持った時には、体にやわらかく触れることになるはずの浴衣の反物《Line》は、一定のテンションとリズムを布に与えて壁面に張られました。従来はやわらかい印象を与えるはずの反物で、ここでは対極の硬質なイメージを提示しました。一方で、屏風型の《たとえば千年の森の王子》は、テンションをかけずに木枠に打ち付けることで、人が近くを通るとさざなみのように表面が動く現象を意識的に作り出しました。さらには、表裏に違う染め方をした布を張りつけて、両方向から奥側の布の模様が透ける現象も提示しました。つまり、布の質感を通じて鑑賞者に布のフレキシブルな特性を感じさせることで、鑑賞者に三次元の感覚を与えることになるのです。ただし、このホワイトキューブではあくまでも想像の中での三次元に気がつくという仕組みです。

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二次元と三次元の行き来が、より明確な体験を伴って実感を得られるものになったのが、和室の壁面4面を全て染色したカーテンで囲った《コスモス》でした。

鑑賞者は、和室内に入って色鮮やかなカーテンの中に囲まれて、染色に包まれるような体験を得ます。さらに、奥のベランダから入り込む風がカーテンの裾を不規則に揺らし、カーテン地の薄さによって外光を透過し、カーテン奥にある窓や扉が透けて見えることで、いわば二次元の布が三次元的な周囲の環境を包含していることに気が付くのです。物理的に染色は二次元ですが、実用的には人の手や体に触れることが前提とされているものであり、その触感を想像することによって三次元へ意識が移行していきます。染色には素材の可変性という特性に加えて、人間の視覚と触覚の接触によって他の素材技法よりも容易に次元を横断できることが、染色ならではの特性だと言えるでしょう。ここに、現代美術の領域でも論じるべきテーマが横たわっています。

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また、もう一つ加賀城さんの空間への意識的な関与として、これは彼の「インスタレーション」における哲学の典型である、いかに展示する環境を分析してそれを受け止めるかという点が、全ての展示で一貫していたテーマであったともいえます。

ttkに展示空間はホワイトキューブの大きな窓と、南向きの和室、ともに自然光が容易に空間に入りこむ環境です。つまりは、時間の移り変わりによって、空間内の明るさが大きく変化するttkの展示空間の特徴を読み取り、昼夜で作品の表情を変え、それぞれに意味と世界観を与える内容にしました。前述の和室の《コスモス》でも、南向きの日差しによって布が透けて空間の広がりを提示する日中とは対照的に、夕方から夜になると日光による透過が無くなり、布本来の色が強調されることで、ますます布に囲まれるような感覚を得ます。

もう一つの自然光を活かした作品が、ホワイトキューブの大きな窓の模様部分に擦り込んだグリッター(ラメ)入りの糊によるインスタレーション《情緒》でした。昼間は、窓の模様そのものが強調されて、糊のレンズ効果で少し外の風景の色が浮かび上がる状況を生み出し、夜になるとグリッターが内と外の明度の差によって全体的に光を放つという対照的な世界を作り出しました。

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これらの表現の元となっているのは、やはり染色の特性をしっかりと把握していること、加えて展示空間に隠されている物質的および時間的要素への配慮によるものです。美術という概念、展示という行為を通じて、非日常的な世界を作り出すという使命もありつつ、日常にありふれたものへの気付きから得られる想定外の発見も、共に現代美術がいまの私たちの社会や暮らしに与える一つの大きな役割だということだと思います。そのことを加賀城さんは強く意識して、自らの表現と作品でもって空間に立ち向かった痕跡が、この「ヴァリアブル・コスモス」であったのではないでしょうか。

 

最後に、加賀城さんの本質にあるものは、やはり「工芸/染色」という枠組みです。もちろんその枠組みの中でしか成立しないものや、枠組みを無視したただ奇抜なものを提示するだけでは、表現としての強度は生まれ出ません。個々の表現や提示のルーツが何であるかを明確にして、ミクロとマクロの視点を散りばめながら、より大きく深い世界観を提示することにより、正当な越境的な表現が成立するものだと思います。分かりやすく加賀城さんの思考をまとめれば、インプットは「素材と技法=工芸」、アウトプットは「展示=美術」と言えるでしょう。双方のベクトルの関係性と両者をつなげる論理性を突き詰めていくことこそが、現代の日本の工芸と美術の理想的な関係性を構築できる契機になるのではないでしょうか。

 

2013-11-13
「Visible ≡ Invisible」はじまりました!

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岡本 啓  《enlargement 2A》 ゼラチンシルバープリント 103.0 x 72.8 cm 2013 【当展出品作品】

 

先週から、ttk今年最後の展覧会、岡本啓展「Visible ≡ Invisible」がスタートいたしました!

会期1週目からお越しいただいた多くの方々から、これまでの岡本さんの作風を良い意味で裏切るような作品の数々に、たくさんの驚きの声をいただいております。
それもそのはず、岡本さんの代表的な表現スタイルである、鮮やかなカラーのフォトグラム作品とは全く対照的に単調な色彩が多いこと。さらにはこれまでの発表では見たことのない素材の作品群など、一見岡本さんの個展とは思えない展示になっております。

しかし、今回の展示の作品と従来の岡本さんの作品とは決して乖離しておりません。むしろ、「Visible」と「Invisible」を合同(≡)の記号で結んでいるタイトルのように、二つは明らかに表裏の関係にあります。そもそもの岡本さんのカラーフォトグラム作品の根底にあるコンセプトを、別の素材を使って少し掘り起こされていたり、従来の作品のモチーフの着想にあるような具体的なイメージを、少し浮かび上がらせるような仕掛けがあったり。これらが明確に理路整然と語られているようにttkの展示空間は構成されています。
また展示の印象も、過去3つのttkの展覧会とも全く違うものになっております。ttkの空間自体も展示ごとに見え方が大きく変わる点も、毎回お越しいただいている方々には必見です。

改めて、岡本啓という一人の作家のイメージを深く読み解いていくには最良の展示となっております。今回も決してキャッチではない、しっかりと思考と感覚を駆使して、時間をかけて展示を読み取るttkらしい内容になっております。

今回はオープン前に出品作品のイメージを公表しておりませんでしたので、この記事にて1点だけ出品作品をアップさせていただきました。この写真作品の画像だけでは、恐らくほとんどのみなさんが意味不明だと思います(笑)。この答えは、ぜひ岡本展の展示にてお確かめください!

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2013-10-31
加賀城 健 展「ヴァリアブル・コスモス|Variable Cosmos」 展示記録

撮影日:2013年10月17日 撮影:長谷川 朋也

 

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2013-10-31
加賀城 健 展に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介

加賀城 健 展「ヴァリアブル・コスモス|Variable cosmos」につきまして、各所にてプレビュー・レビューをご掲載いただきました。

主だったご掲載記事を以下にまとめてご紹介させていただきます。当展をご紹介くださったみなさまに、心より御礼申し上げます。

 

・『美術手帖 9月号』 ARTNAVI(プレビュー/8月17日)

・『GALLERY 9月号』「今月の展覧会50+」(プレビュー/9月1日)

・ブログ「プラダーウィリー症候群(Prader-Willi Syndrome)の情報のメモ」(レビュー/9月7日)
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130907

・毎日新聞 関西版 文化面「アートのトリセツ」(レビュー/9月25日夕刊)
http://mainichi.jp/feature/news/20130925ddf012040019000c.html

・artscape 「artscape レビュー」(レビュー/10月1日)
http://artscape.jp/report/review/10091726_1735.html

・日本経済新聞 関西版 美術・伝統芸能ガイド(プレビュー/10月5日夕刊)

 

 

2013-10-05
「このはなの日 2013」開催 10月12日(土)~13日(日)

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さて、来週の週末は、ttk周辺の此花区梅香・四貫島エリアにて「このはなの日 2013」が催されます。

改めまして「このはなの日」の解説ですが、昨年までは「見っけ!このはな」というイベントが秋に開催されていました。今年からは実行委員会組織を立ち上げ、昨年までの「見っけ」のテーマを改めて見直すかたちとなりまして、「このはなの日」というイベント名の下で開催する運びとなりました。ttk山中も実行委員会メンバーに加わっております。

 

「このはなの日」の特徴としましては、昨年と同様にギャラリー、アトリエ、ショップ、イベントスペースなど既存のアート系スペースがほぼ全てオープンし、それぞれが独自のイベントや企画を催します。比較的定期的にオープンしている此花のスペースはttkのほかに、梅香堂、OTONARIくらいでしたので、その他不定期にオープンしていたスペースや、通常は見られないアトリエなども一堂にご覧いただけます。これまで何度も此花に足を運んでくださっていた方々でも、初めて入るスペースがあるかもしれません。

今回の目玉の一つは、「このはなの日ツアー」と題した複数のツアーがあることです。この独特の下町の雰囲気を楽しんでいただくために、面白い切り口のツアーが計画されています。詳細は会期直前に、このはなの日HPなどでご案内できるかと思います。
そして、もう一つは、既存のアート系スペースだけでなく、このエリアのおもしろ下町スポットも数多く紹介したマップを配布します。基本的には1日で回って楽しめるくらいの広さですが、もっともっとこのエリアの深みにはまって、何度も足を運んでいただくための重要ツールです。

私たちの「このはなの日」の目的としては、私たちが活動しているこのまちを改めて見つめなおすことです。私たちのスペースを紹介するだけではなく、もっと私たちがやってくる前から暮らしている地元の人々やその街の雰囲気を再認識すること。それらを、私たちのスペースに来られてイベントに参加される地元の方々、そして外から遊びに来られる方々と共に、その気付きを共有したいということが願いです。

最近の各地でされているちょっと背伸びしたようなアートイベントとは違って、自分たちの身の丈にあったシンプルで自然なイベントにしていきますので、お越しになられる方もご近所のお祭りに行くようなお気軽な感覚でお楽しみいただければと思います。

 

ttkでは先般ご案内の通り、現在開催中の加賀城展が継続してご覧いただくことができ、加賀城さんによるハンカチ染めのワークショップも同時に開催します。
https://thethree.net/news/823

ぜひ12日13日の連休は、みなさまお誘い合わせの上此花区梅香四貫島エリアにお越しくださいませ!

 

※ 「このはなの日」の詳細情報は、以下のサイトにてご入手ください。
HP http://konohananohi.tumblr.com/
ツイッター https://twitter.com/konohananohi
FBイベントページ https://www.facebook.com/events/391809527589476/
周辺スペースのマップ(ダウンロード) https://thethree.net/wp-content/uploads/2013/10/konohananohi2013_guidemap.jpg

 

2013-09-15
「ヴァリアブル・コスモス」はじまりました!

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異常なくらいに暑かった今年の夏もようやく一段落して、ttkの秋の展覧会が先週からスタートいたしました。

Facebookなどではちょっと別の話題でも盛り上がったりしておりましたが(笑)、加賀城さんの2年ぶりになる個展は開催前から注目度も高く、会期がスタートしてからもお越しいただいた方々からの評判の高さが、色んなところから回りまわって帰ってきております。

さて、今回の加賀城展の見どころを、できるだけネタばれにならないように、少しご紹介いたします。

ここ数年は現代美術へのアプローチを強めて、染色という工芸としての技法で作り出す「絵画性」の提示に重点を置いてきた加賀城さんですが、今回は原点回帰というべき「染色および工芸」そのものが持つアイデンティティについて、展示全体で丁寧に語ろうとしているように思います。

更に、染色としてのカテゴリーの存在をしっかりと作品を通じて表しつつ、現在の現代美術の領域で主題とされている複数の要素とも共通点や対比も、各所で提示されています。当展のテーマ通りに、「美術」と「工芸」を行き来することにおける問題定義が、とても冷静になされている印象の展示となっております。それを読み解くには、やはり「ミクロ・マクロ」双方の視点が必要です。個々の作品から見えるもの、インスタレーションとして相対的に見えるもの。また、日中の見え方と夕方の見え方でも、一つの作品が全く違う様相を見せてくれます。

この加賀城展は、とてもたくさんの要素が乱立していて、一見まとまりがないようにも感じることもあるかもしれません。しかし、きちんと一つ一つの作品を見ていただきながら、工芸や美術についての思いをめぐらせてください。そうすると、染色としてのアイデンティティにも、全体の計算された展示構成にも、一貫した「ヴァリアブル(可変的)」な「コスモス(宇宙/秩序)」が、必ず見えてくるはずです。

もちろん、今回の加賀城展も会期は1ヵ月半ございます。ぜひ何度もお越しいただいて、加賀城さんの「ヴァリアブル・コスモス」の真髄の奥深くへと入り込んでいただきたく思います。

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2013-08-12
「SLASH/09 回路の折り方を しかし、あとで突然、わかる道順を」 展示記録

撮影日:2013年7月18日 撮影:長谷川 朋也

 

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