2015, EXHIBITIONS, PAST
Konohana’s Eye #9 伊吹 拓 「Beyond the Screen」
・伊吹 拓 「Beyond the Screen」 展示風景
Konohana’s Eye #9
伊吹 拓 「Beyond the Screen」
2015年9月4日(金)~10月18日(日)
開廊時間:木・金曜 15:00~21:00/土・日曜 12:00~19:00
(※本展より、平日の開廊時間を変更いたしました)
休廊日:毎週月曜~水曜
会場:the three konohana
レセプションパーティー:9月26日(土)18時~( ※「見っけ!このはな 2015」会期初日での実施です。)
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【関連企画】
[見っけ!このはな 2015] 連携企画
伊吹拓&POS建築観察設計研究所 「Beyond the Screen in the open air」
日時:9月26日(土)、27日(日)[※以後も個展期間中の10月18日(日)まで展示を予定しています。]
会場:ね どこ(ttkから徒歩3分の空き地。詳細な場所はこちらをご覧ください。)
the three konohanaで個展「Beyond the Screen」を現在開催中の伊吹拓が、此花を拠点に活動するPOS建築観察設計研究所とコラボレーションして、絵画作品の屋外展示をおこないます。
伊吹の大きな絵画作品にPOSが制作した構造体を組み合わせて、住宅やマンションに囲まれた細長い空地に設置します。陽と空気のうつろいに触れ、そして此花の下町の景色と重なる、合作作品と「ね どこ」の空間をお楽しみください。
見っけ!このはなHP http://www.mikkekonohana.com
「伊吹 拓 展 Beyond the Screen – on paper works」
日時:9月8日(火)~27日(日) 12:00~17:00 月・金曜日休廊
会場:Note Gallery(573-0057 大阪府枚方市堤町8-15 Tel:072-396-0708)
伊吹が在住する地元枚方市のNote Galleryにて、個展を同時開催いたします。オイルオンペーパーの新作をご紹介いたします。
Note Gallery HP http://notegallery.jimdo.com
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このたび the three konohanaでは、伊吹 拓(Taku Ibuki, b.1977)の個展を開催いたします。弊廊では、2013年の開廊時の個展以来2年半ぶりの発表となります。
これまでの作家活動において伊吹は、一貫して抽象絵画による表現に取り組んでいますが、屋内の一定の環境に絵画を配置する一般的な展示手法から逸脱した表現にも精力的に挑み続けています。一昨年の弊廊での個展では、和室内に水平に置いた巨大なキャンバスに随時加筆を加えていく展示を、約2か月の会期中継続して実施いたしました。自ら積極的に画面を描き変えていく行為と共に、時間と天候によって断続的に変化し続ける陽光がまだ乾ききっていない画面に触れることにより、常に固定化されない画面を見せ続けた展示は、絵画が生み出しうる視覚的「現象」を提示し、私たちに「絵画の体験」としての印象を強く与えました。
この流れを受け継いだ昨年は、新園舎の屋外壁面を描いた姫路市の八木保育園のコミッションワークを春に完成させ、古いビルの1階正面の大きなガラス張りの空間に自らの作品を巨大な壁画のように配置し、ガラス面から溢れんばかりに差し込む自然光と向かい合わせて展示した秋の「木津川アート2014」と、屋外を意識した発表が続きました。屋外や太陽の光と、自らの絵画作品との関係性についての彼の興味と考察は、さらに深まりを見せています。
本展では、伊吹の抽象絵画としての画面の追究は継続した上で、屋外および太陽の光と向き合う試みを、さらに積極的に実践いたします。弊廊の自然光が差し込む2部屋の展示空間の特性を意識した全て新作のキャンバス作品での発表に加えて、此花区梅香・四貫島エリアの秋の恒例イベント「見っけ!このはな 2015」[会期:9月26日(土)、27日(日)]と連動して、屋外での作品展示もおこないます。弊廊の空間の施工を担当し、昨年の「木津川アート2014」でも彼の展示設営をサポートした、株式会社POS建築観察設計研究所の技術協力を得て、絵画と建築のコラボレーションによる作品を屋内外で展開いたします。
伊吹が「抽象絵画」という手法を通じて常に考えていることは、画面に絵具が定着してイメージが固定されることからの逸脱と、そこから派生していく視覚を通じた絵画の解釈の可能性です。彼が積極的に画面上に描き込んだ油彩による色や筆致を、筆洗油で洗い流す行為によって画面を構築する彼独自の手法は、自らの手で操作不可能な領域を作り出すために取り入れたものです。展示においても、常に自らの画面のイメージが固定されない自然現象が作用する環境に、ためらうことなく作品を晒していくことに努めてきました。そこには、人間の人智が及ばない領域が存在していることの気づきを与え、その領域から人間としての進歩と、それに対する謙虚さの両極的な意識に向き合う必要性をも考えさせられます。歴史上最も確立された美術のカテゴリーの一つである絵画というフォーマットを媒体に、いかに固定概念を揺るがしながら、「流動的な絵画の画面」が引き出していくあらゆる価値観に、彼が手がける本展の屋内外二つの展示会場へのアプローチを通じて、思考を深めていただければと思います。
また、本展の会期中には、伊吹の住む地元、大阪府枚方市のNote Galleryにて、紙を支持体にした作品で構成する個展も開催いたします。彼の作品が2つのギャラリー空間と屋外で、それぞれ異なる3つのアプローチの作品群が同時に展開される、彼にとってもこれまでで最も大規模な一連の発表の機会となります。伊吹の力作の数々を、この機会にぜひ全てご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
[上] 《flow compose #1》 [下] 《flow compose #2》 共に 油彩・綿布 80.0 x 116.7 cm 2015 【本展出品作品】
伊吹 拓 展「“ただなか”にいること」展示風景(the three konohana、2013)[撮影:長谷川 朋也]
八木保育園 新園舎壁面(兵庫県姫路市、2014) [撮影:高原ようか]
「木津川アート 2014」展示風景(京都府木津川市 NTTビル、2014)
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