REVIEW

「OBJECTS IN MIRROR~」はじまりました!

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ttk3年目の最初の展覧会「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」、3連休と重なりました最初の3日間で100人を優に超えるみなさまにお越しいただきました。連休という好条件に、昨年秋の「無人島にて」展で大反響を巻き起こしたキュレーター長谷川新さんの企画ということもあって、改めて注目度の高さがうかがえた会期一週目となりました。

長谷川さんのキュレーションのスタンスをご存知の方には、本展も彼らしい納得の内容になっていると思います。本展のタイトルやステートメントはとても意味深でやや論理的に感じるかもしれませんが、基本的に長谷川さんの展覧会は、美術史の文脈を理解しないと楽しめないという作り方にはなっていません。本展のステートメントで小説や詩のセンテンスが引用されているように、物語性が作家のセレクトから実際の展示に至るまでに反映されています。今回は7名の作家の作品で物語られますが、表現のジャンルや素材の「近さ/遠さ」が既存の価値観の中でのものだけではなく、作家同士の比較の中でも網の目のような相関図が形成されているように思います。

展示自体も、見た目では比較的すっきりと配置されていますが、作品の情報量としてはやや多めの印象があります。そのため、展示を一巡すると見た目以上のボリューム感に圧倒されますが、じっくり時間をかけて展示をご覧いただければ、長谷川さんが意図する作家同士の関係性を読み取ることはそれほど難しいものではないと思います。(ただし、もちろん長谷川さんの意図を見い出すことが唯一の答え・目的ではありませんが)

各作家につきましては、長谷川さんのキュレーションの意図のもとで、出品作品は作家によって新作のみ、旧作のみ、新作・旧作混合の様々なアプローチをとっています。また、7名の作家のうち5名は関西外で活動する作家ですので、関西の方々にとっては初めてご覧になる作家も多いと思います。良い意味でいつものttkとは違った空間、展示をお楽しみいただければと思います。

そして本展は、2月から関連イベントが次々と開催されます。長谷川さんの発案で、ttk3年目にして初めて、展覧会で此花の近隣の施設との連携が実現しました。オープニングレセプションを実施した、ttkから徒歩5分の四貫島中央通商店街内にある「PORT」にて、3つの関連イベントを実施いたします。こちらでは、複数の作家が搬入期間中に宿泊して、その間も作業の合間に下町風情にあふれた此花エリアを満喫していただいた拠点でもありました。本展で初めて此花にお越しになられる方には、ttkとPORTへの移動の間に、大阪らしい下町の此花の雰囲気もご一緒に楽しんでいただければと思っております。イベント自体の充実さももちろんで、展覧会そのものを取り上げるというよりは、その周辺から主題を広げていくような内容になっていますので、ぜひ関連イベントもお誘いあわせの上ご参加ください。

先般ご案内の通り、今月17日から28日まで中断期間がございますが、3月頭までの会期、多くのみなさまのお越しをお待ちしております。


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