REVIEW

<THC> @ Calo Bookshop & Cafe はじまりました!

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森村誠さんの2年ぶりの個展は、2部構成で開催します。
まずは前半戦、プレ展示の<THC>は、会場を大阪・肥後橋駅すぐのCalo Bookshop & Cafeにて、9月9日(土)まで2週間の会期で開催しています。
ご存知の方も多いと思いますが、Caloさんは2階から5階までギャラリーが入っている若狭ビルの5階にあり、書店とカフェが併設されたギャラリーです。(ちなみに、今年2月~3月の泉茂展を同時開催したYoshimi Artsさんと同じビルにあります。)

この<THC>展では、新旧9点の作品を出品しています。本展のハイライトとなる、アメリカの小説家ウィリアム・バロウズが着想となった作品は、2014年に制作した未発表作が5点、制作途中だったものを再開して完成させたものが1点、そして本展を機に制作した新作が1点という構成になっています。また2009年に中国で発表した、テーマに類似する作品も2点ご紹介しています。
森村さんの主要な制作スタイルである、印刷物上の該当の文字を修正液で消した作品とカッターで切り取った作品、印刷物の素材も地図と書籍の作品がそれぞれあります。初めて森村さんの作品をご覧になられる方にも、森村さんの作品の基本形が分かりやすい構成になっていると思います。

昭和30年代にアメリカの文学界を席巻した「ビート・ジェネレーション」は、当時の社会へのアンチテーゼ的な主張やアクションを通じて、若者文化をもけん引したムーブメントとして知られ、のちのラップやヒッピーのルーツとも言われています。本展のバロウズにちなんだ主要作品は、英語のものは「THC」、日本語のものは「大麻(たいま)」の文字をクローズアップしたものとなっています。ライフスタイルの過激さも有名なバロウズの麻薬中毒の側面と、作品作りの特徴である「カットアップ手法」と森村さんの文字を切り取る手法を、作品群ではリンクさせています。また本展はCaloさんのご協力により、バロウズ関連の書籍を取り寄せていただき、作品と共にご覧いただける構成にもなっています(書籍もその場で購入・持ち帰りが可能です)。「ビート・ジェネレーション」周辺の文化や社会の動向も、合わせて知る機会になれば幸いです。

森村さんの制作の基準として、特に切り取った文字から具体的な価値判断やメッセージを主張するものではありません。事実や現状から、言葉や情報を断片的に切り取って浮かび上がらせることによって、その事柄の存在を鑑賞者の意識へ傾けて、思考と想像を活性化させていく、潤滑油的な役割を担っています。表層的にはやや過激で反社会的な要素が見られますが、客観的に捉えていただいて、各々の経験や知識と咀嚼しながら、森村さんの作品に向き合っていただければと思います。

作品の配置は、Caloさんの店内の構成上、メインのギャラリースペース以外にも作品を散らばらせていますので、9点ともぜひお見逃しなくご高覧ください。また、カフェスペースもありますので、ドリンクやデザートと共にゆったりと展示をお楽しみください。(なお、期間中に本展にちなんだデザートをご用意いただく予定になっています。こちらもぜひお楽しみに!)

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Calo Bookshop & Cafeへは、下記の公共交通機関でお越しください。

・ 大阪市営地下鉄四つ橋線 肥後橋駅6号出口徒歩1分
・ 御堂筋線 淀屋橋駅12号出口徒歩5分
・ 京阪電鉄中之島線 渡辺橋駅より徒歩8分

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Posted on 2017-08-29 | Posted in REVIEW |

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