2014, EXHIBITIONS, PAST
Director’s Eye #2 野口 卓海 「まよわないために -not to stray-」
・『続・まよわないために -continuation of ”not to stray”- 』 text: 野口 卓海
・「まよわないために -not to stray-」 展示風景
・「まよわないために」展に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介
Director’s Eye #2 野口 卓海
「まよわないために -not to stray-」
2014年1月11日(土)〜3月2日(日)
開廊時間:毎週木曜〜日曜 12:00〜19:00
休廊日:毎週月曜〜水曜、1月19日(日)~26日(日)
会場:the three konohana
展覧会ディレクター:野口 卓海
出品作家:國政 聡志、田中 秀介、乃村 拓郎、三木 祐子+金崎 亮太
デザイン:前田 大介
オープニングパーティー:1月11日(土)18時〜21時
トークショー:2月8日(土)18時〜19時
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the three konohana 2年目の最初を飾る展覧会は、Director’s eyeの第2弾となります。関西を拠点に展覧会やイベント企画、そして美術評論をおこなう、野口 卓海(Takumi Noguchi, b.1983)の企画によるグループ展「まよわないために -not to stray-」を開催いたします。
野口は、アート全般の企画を金崎 亮太と共に実施するユニット「Yoha Public」を結成し、関西の百貨店での展覧会や演奏会を多数開催してきました。また、個人の活動として、同世代の作家を中心に作家評論なども執筆しています。
今回野口にとっては、ギャラリースペースでの展覧会は初めてのディレクションとなります。同世代の80年代生まれの作家4組による構成のグループ展を通じて、世代に共通する価値観を提示することを目的としています。
Director’s Eyeの本来の目的は、展覧会を企画する専任ディレクターの育成とその役割の必要性を強調することです。自ら提示した主題を明確に反映させる展示を実現し、それを改めて深く言語化していくことを実践する場になればと思います。
国内における80年代生まれの人々は、感受性の強い子供の頃にオウムのサリン事件や酒鬼薔薇事件などセンセーショナルな出来事を目の当たりにして、独特の物事の解釈が随所に見られる世代だと認識しています。同世代のディレクターによる同世代の作家へのディレクションを通じて、その世代の典型的な価値観を明確に提示してくれることを期待しています。
the three konohana 山中 俊広
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【当展趣旨】
本展覧会は、そのタイトルが指し示す通り「まよわないために」企画されました。美術のみに関わらず、いわゆる“現代”を取り巻く目まぐるしい状況の只中で、私たちはそれぞれに戸惑い、断続的なつまづきに辟易しながら、にも関わらず“どこか”を目指し続けています。まるで幻想のような“単一の目的地”の存在を、未だに私たちは妄信しているのかもしれません。しかし、大いなる“目的地”が明らかに失われた現代で、私たちはまずそれぞれの個人的な“現在地”についてこそ考えるべきではないか―いや、むしろ“現在地”についてのみ、私たちは互いに語りえるのではないか―本展覧会は、大体そのような出発点から歩き出しています。
今回取り上げる四組の作家は、主題・技法・媒体などそれぞれに全く異なります。が、彼らには共通して或る強度―つまり、“現在地”と“その道程”への強いつながりが感じられます。なぜ彼らがその表現へと至ったのか、論理的にも感覚的にも接近できる道筋がいくつも残されており、そしてその道を辿るような行為そのものが深く豊かな鑑賞と体験を生み出します。どこから・どのようにして“現在地”へとたどり着いたのか、時折立ち止まって確認し、その自らの道程をより深く見つめること。それは、現代美術の迷宮で「まよわないために」彼らが獲得した姿勢とも呼べるでしょう。そして、この姿勢にこそ、現代の若手作家における同時代性が立ち現れているのです。
当展ディレクター 野口 卓海
Posted on 2014-01-11 | Posted in 2014, EXHIBITIONS, PAST |
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