REVIEW
2016-04-18鮫島 ゆい「5時の点は白と黒」 展示記録
撮影日:2016年3月24日 撮影:長谷川 朋也
2016-04-18鮫島 ゆい「5時の点は白と黒」に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介
鮫島 ゆい「5時の点は白と黒」展につきまして、各所にてプレビュー・レビューをご掲載いただきました。
主だったご掲載記事を以下にまとめてご紹介させていただきます。当展をご紹介くださったみなさまに、心より御礼申し上げます。
・Lmaga.jp 「小吹隆文撰・週末おでかけアート」(プレビュー/2月10日)
http://www.lmaga.jp/news/2016/02/4315/
・日本経済新聞 関西版 展覧会情報(プレビュー/2月19日夕刊)
・『シティリビング』(プレビュー/2月26日号)
・『美術手帖 2016年4月号』 ARTNAVI(プレビュー/3月17日)
・ブログ「プラダーウィリー症候群(Prader-Willi Syndrome)の情報のメモ」(レビュー/3月19日)
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20160319/art2
2016-02-16「5時の点は白と黒」はじまりました!
2014年春以来、ほぼ2年ぶりとなる鮫島ゆいさんの個展です。ttkでは2年前の個展から昨夏のART OSAKA 2015での新作発表と、表現手法を固定させながらも着実な成長を見せてきた鮫島さんにとって、本展は一連の地固めの成果を提示する機会です。
本展も前回の個展と同様に、平面の絵画作品と立体作品を混在させた構成にしていますが、彼女の表現においての主軸の一つである「コラージュ」のアウトプットに変化が生じてきています。鮫島さんの中で表現・制作のプロセスはさらに固定化されていながらも、単一の作品を構成する要素は近年の作品よりもさらに絞られて、全体的に純化された傾向が見られます。
そして、鮫島さんにとっての「リアリティ(現実感)」への回答にも前進が見られます。「画質の荒い映像を、次々とコマ送りで見た時に残る、実像と虚像の隙間のようなもの」という、本展の趣旨文内の鮫島さんの言葉に象徴される世界観がより意識的に追究されて、作品を構成する個々のモチーフ(かたち)の選択と、それらで単一の作品を組み立てるための基準が、ますます明確になってきています。個々の作品タイトルにもその傾向が現れています。視覚による認知を軸とした彼女の現実世界との向き合い方を、本展の作品群と照らし合わせながら、現代の多様化する「リアリティ」の概念を考える機会にもなればと思います。
現実界での視覚とそれに寄り添う感覚との関係を基点に展開される、鮫島さんの表現の広がりと深化。この2年間の彼女の活動の積み重ねに裏打ちされた展示になっているはずです。本展をじっくりくまなくご覧いただき、鮫島さんの世界観の一貫性と、コンセプトの深まりによって変化する要素の両軸を読み取っていただければ幸いです。
また、ttkの通常スタイルの企画としては、本展が今年最初の展覧会となります。今年の5企画はすべて個展で構成されていますので、今年はひとりひとりの作家により一層丁寧に向き合ったプレゼンテーションを心がけたいと思っております。
2016-01-24乃村 拓郎「On」 展示記録
撮影日:2015年12月24日 撮影:長谷川 朋也
2016-01-24乃村 拓郎「On」に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介
乃村 拓郎「On」展につきまして、各所にてプレビュー・レビューをご掲載いただきました。
主だったご掲載記事を以下にまとめてご紹介させていただきます。当展をご紹介くださったみなさまに、心より御礼申し上げます。
・Lmaga.jp 「小吹隆文撰・週末おでかけアート」(レビュー/12月2日)
http://lmaga.jp/blog/news/2015/12/art02_takuro_nomura.html
・ブログ「プラダーウィリー症候群(Prader-Willi Syndrome)の情報のメモ」(レビュー/12月26日)
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20151226/art
・artscape 「artscape レビュー」(レビュー・高嶋慈氏/1月15日)
http://artscape.jp/report/review/10118504_1735.html
2015-11-16「On」はじまりました!
ttkでは初めての個展となる乃村拓郎さん。昨年のttkのDirector’s Eyeでご存知の方もおられるかと思いますが、これまでの発表回数も場所も限られていましたので、おそらく初見の方が多い展覧会となるかもしれません。
近代に欧米から「美術」の概念が日本に流入して、当時までの日本のさまざまなものづくりの活動がその基準によって領域分けされていきました。制作者は自らの判断で、「美術」とそれ以外のもの(主に「工芸」)として制作していきますが、それを享受する側にとって「美術」であるか否かの判断はいかにしてなされるのでしょうか?乃村さんのコンセプトは単刀直入に言うと、その「美術」の領域の一つである、「彫刻」の定義を再考することにあります。
これまでの乃村さんは、1つの展示で1つの論点を考察するシンプルな展示を続けてきましたが、ttkの個展では複数の論点を一度に提示して、さらに論理的にその問いに向き合う形式になっています。本展でも「彫刻」のイメージから少し外れて、立体作品と平面作品が混在する構成になっていますが、彫刻の制作(または認識)のための行為と思考のプロセスを明確に抽出することを目指しています。本展を読み解く主なキーワードは、「二次元と三次元」、「距離感」、「工芸/置物と彫刻」。彫刻をめぐる複数のベクトルの両極が併存しているような内容になっていますので、どこのバランス点で「彫刻」の認識が生じるかどうか、表層的なフォーマットの奥や周辺にある諸要素から各自の基準を見出していただければと思います。
なお、本展が2015年のttkの最後の展覧会となります。本展はオープニングパーティーの代わりに、クロージングパーティーを最終日の前日12月26日(土)に開きます。年末の忙しい時期ではありますが、忘年会の感覚でぜひお越しくださいませ。
2015-11-15伊吹 拓「Beyond the Screen」 展示記録
撮影日:2015年10月13日 撮影:長谷川 朋也
2015-11-15伊吹 拓「Beyond the Screen」に関する、掲載プレビュー・レビューのご紹介
伊吹 拓「Beyond the Screen」展につきまして、各所にてプレビュー・レビューをご掲載いただきました。
主だったご掲載記事を以下にまとめてご紹介させていただきます。当展をご紹介くださったみなさまに、心より御礼申し上げます。
・『美術手帖 2015年10月号』 ARTNAVI(プレビュー/9月17日)
・日本経済新聞 関西版夕刊 芸術面(レビュー/9月16日)
2015-09-10「Beyond the Screen」はじまりました!
ttkでは2013年春の開廊時以来、2年半ぶりの個展となる伊吹拓さん。3会場同時開催というボリュームたっぷりの作品量はもちろんのことですが、2年半前の個展からの流れと展開を見せるというシンプルなところに、本展の重点は置かれています。
先のttkでの個展からの2年半、各地での精力的に発表で継続してきた伊吹さんの絵画への向き合い方のポイントは3つあります。ひとつは、前回のttkでの個展の時の自発的かつ積極的なストロークの展開です。伊吹さんのコンセプトの主軸には、人間の手によって操作が可能な領域と不可能な領域の双方を、画面上に作り出すというものがあります。ただ、今回の伊吹さんの新作には、新たなマチエールや筆致が織り込まれました。このことは伊吹さんにとって、絵画の画面へのより積極的な関与の表れと言えるでしょう。
そして、2つ目のポイントは、自然環境との向き合い方です。前回のttkの個展での座敷での作品のあと、昨年の八木保育園の園舎壁画や木津川アートでの展示でも、時間の経過と共に変わりゆく自然現象を自らの絵画作品に向き合わせる展示を続けました。このアプローチは、自らの先にある操作不可能な領域への積極的な関与とも言えるでしょう。ttkの屋内空間での、窓から差し込む陽光の変化を作品に取り込むことは前回に引き続いて実践しながら、今月末の「見っけ!このはな」での屋外展示では、陽光のみならず雨風といった気象現象とも向き合うことになります。
そして最後に、他領域の人々とのコラボレーションにも、意識的に自らの手から離れての作品への作用を作り出す意図があります。今回のttkでの展示と、「見っけ!このはな」での屋外展示の双方には、随所にPOS建築観察設計研究所さんの手と思考も含まれています。伊吹さん本人による作品へのアプローチの強度もありながら、外的なアプローチも複数の方向から強めている今回の一連の作品群。従来から取り組んでいるこれらのアプローチの関係性から、最終的には絵画そのものに立ち戻っていく伊吹さんのプロセスと思考を、ぜひじっくりと本展で感じ取っていただければと思います。
2015-08-10森村 誠 「Argleton -far from Konohana-」 展示記録
撮影日:2015年7月9日 撮影:長谷川 朋也