お知らせ

2023-04-28
開廊10周年記念展 Vol.1 加賀城 健+加藤 巧「Haste Makes Waste」 2023年4月28日(金)~6月18日(日)

・加賀城 健+加藤 巧「Haste Makes Waste」 展示記録

the three konohana 開廊10周年記念展 Vol.1

加賀城 健+加藤 巧「Haste Makes Waste」
2023年4月28日(金)~6月18日(日)

出品作家|加賀城 健加藤 巧

開廊時間|12:00~19:00
休廊日|毎週月・火・水曜

オープニングトーク&レセプション|4月30日(日)17:00~19:30

会場|the three konohana

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このたびthe three konohanaは開廊10周年を迎え、本年は記念展としての企画を複数計画しています。

その第一弾の企画として、加賀城 健(KAGAJO Ken, b.1974)と加藤 巧(KATO Takumi, b.1984)による二人展「Haste Makes Waste」を4月28日(金)より開催します。

本展は、弊廊で定期的に作品発表を重ねてきた二人の作家が、お互いの表現の方法や思考に触れ合い、その応答としての作品を発表する形式です。本展のためにお互いの作品および作品に使用する材料を渡し合って、それに各々の方法で応答した作品、対話を通じて着想が広がった新作、相手方の作品と並置して同異点を探る作品などで構成します。

本展を通じて、相互的な向き合いから現れる自らの制作のスタンスを見つめ直す二人の態度と、美術/芸術の本質に向き合おうとする二人の作家と弊廊の三者、それぞれの姿勢に触れていただける機会になれば幸いです。

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開廊10周年、つまりギャラリー活動の10年を表現する展覧会をと考えた時に、私にはそれを総花的に回顧する選択はないと思った。この10年間、私はギャラリーの運営と並行しながら、キュレーターの肩書で様々な立場や枠組みの仕事を多数手掛けることとなり、ギャラリストとして美術、芸術/アート、作家、作品とどう向き合うかという私の価値観はどんどん変容した。そうした流れの中でこの10年を表現するならば、今のこの通過点でどういう芸術の見方を持っているのかを示すことが理にかなっていると思った。つまり今の自分を表現すること。

変化したことも多いが、一貫して持ち続けている価値観ももちろんある。今回の展覧会はどちらかというと後者を表現することかもしれない。加賀城健と加藤巧は、それぞれ弊廊で何度も発表を続けていると同時に、パブリックな環境を舞台とした企画でも協働しており、作品を作らずマネジメント職に専念する私の立場に理解を示すことができる作家でもある。さらに二人は、芸術系大学で教員職に従事していることも私と共通し、ギャラリー内での活動に留まらず、広い視野でいまの芸術・美術を捉えて議論ができる、対等な同志的存在であることは過言ではない。

この二人の作家に共通していることは、作家としての活動や作品表現の幅を広げながらも、その広がりを自らの特異点として押しだすことはなく、各々の領域の原点、つまり本質の追究に自らの主題を置いている。この点に私はこれまで強い共感と信頼を置いてきた。加賀城は染色、加藤は絵画、それぞれの領域の技法と材料を研究する姿勢が作品へと発展する過程は、共に作家としての最も強固な軸と言えよう。しかし、二人はそれらの要素を権威として自らにまとわせないように、自らの身体および制作行為の性質をも観察し、それらを作品へ反映させる姿勢を取る。自らの外にある表現・制作のための知識と、自らの中にある身体と思考を組み合わせ、それらをフラットにするためにいかに遠回りし、不便さを受け入れることを意識した作品制作をするところにも特筆すべき点があると考える。各々の領域にある技法や材料、歴史に由来する、動かしがたい権威的概念と、表現・制作の不自由さに着目し、それらに誠実に向き合う振る舞いから自由さを獲得していく態度には、いまの芸術の領域だけでなく社会にも説得力を持ったメッセージとして発せられる強さがあると私は思っている。

一方で、これだけ共通点が多くありながら、本展はむしろ両者の違いが現れることになるだろう。当初互いに制作思考への共感を持ってこの企画に臨んだ二人だったが、まずは作品や材料を交換して制作に取り組んだものの、それらを取扱うアプローチに共に戸惑い、制作が立ち止まった瞬間があった。この気づきがあった後に、本展に向けての各々の取り組み方に違いが広がったように私は感じた。急がば回れ。本展のタイトルはここでの出来事だけでなく、私たちが各々の活動の中で常に大切にしてきた態度として明解に示すものである。

本展は、加賀城と加藤の対話と応答から、全ての作品と展示が作られる。それを10年の活動を経たギャラリーの今を位置づける価値観の一つとして示すことに、私に躊躇はない。これまで多数の企画で私と協働を積み重ね、お互いのキャリアアップに寄与し合ってきた二人は、ここに私自らの価値観を肉付けすることに信頼を持って受容してくれるだろう。ここからギャラリーの次の10年を展望し、そしてさらにその先の世界に残され得る芸術とは何かを、これからも試行錯誤しながら考え続けていきたい。

the three konohana 代表・ディレクター 山中 俊広

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加藤 巧《macaroni (mirror) 01》2023   【本展出品予定作品】
顔料、漆喰、樹脂プラスター、ジェスモナイトAC100、和紙、加賀城健の布  25.0×21.7 cm
加賀城 健「Manipulation / Interchange」前期展 展示風景(2022年/the three konohana)
[撮影:長谷川朋也]

加藤 巧《To Daclare (flag)》2022
顔料、乾性油、卵黄、二水石膏、兎膠、亜麻布、木材
45.0 x 104.5 cm

 

2023-01-28
2月5日(日)開廊時間変更のお知らせ

現在開催中のGallery Collection – 加藤 巧「Recent works 2020-22」、当方の都合により2月5日(日)の開廊時間を13時~19時に変更いたします。(オープン時間は通常より1時間遅れ、クローズ時間は通常通りです。)
みなさまにはご不便をおかけしますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

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2023-01-13
Gallery Collection – 加藤 巧「Recent works 2020-22」2023年1月13日(金)~2月19日(日)

・加藤 巧「Recent works 2020-22」 展示記録

Gallery Collection – 加藤 巧「Recent works 2020-22
2023年1月13日(金)~2月19日(日)[※会期中の金~日曜日オープン]

開廊時間|12:00~19:00
(* 期間中の月~木曜日はアポイントメント制/電話・メールにてお問合せください)
(* 2/5(日)は13:00オープンに変更いたします)
会場|the three konohana

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このたびthe three konohanaでは、Gallery Collection – 加藤 巧「Recent works 2020-22を、年明けの1月13日(金)より開催いたします。

本展では、絵画技法や材料の研究を並行して多様な作品を制作している加藤 巧(KATO Takumi, b.1984)のここ3年間の弊廊での未発表作から、ギャラリーがセレクトした約20点を公開します。2022年夏、gallery αM(東京)の年間企画「αMプロジェクト2022-判断の尺度(キュレーター:千葉 真智子)」での個展「To Do」で発表した作品を中心に、新作や近年の未発表作などで構成します。

《To Play (octopus)》2022【出品予定作品】
顔料、卵黄、アクリル樹脂、二水石膏、兎膠、亜麻布、木材 90.0 x 60.0 cm
[ 「To Do/判断の尺度 vol. 2」 出品作品/撮影:守屋 友樹]

《To Swipe (face) 02》2020【出品予定作品】
顔料、卵黄、アクリル樹脂、タルク、兎膠、寒冷紗、木材、ダンマル樹脂 29.7 x 21.0 cm

 

2022-10-27
森村 誠「the pre-emptive multi-task」2022年10月27日(木)~12月11日(日)

森村 誠「the pre-emptive multi-task」
2022年10月27日(木)~12月11日(日)

前期:10/27(木)~11/20(日)
後期:11/26(土)~12/11(日) (※ 前後期で作品を入れ替えます)

開廊時間|12:00~19:00
休廊日|毎週月・火・水曜、11/24(木)~25(金)

会場|the three konohana

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このたびthe three konohanaでは、森村 誠(MORIMURA Makoto, b.1976)の個展を前後期に分けて開催いたします。

森村は、特定の情報が記された印刷物に、自らの手による行為を幾重にも積み重ねることによって作品化する作家と主に認識されています。これら大きく2つの要素の組み合わせを軸に、印刷物上の情報の用途やイメージから別の視点を促す作品を生み出すことで、私たちにその都度強い印象を与え続けてきました。また、彼の私的な体験や出来事を作品の着想に置くことで、私たち各々の日常や身近な物事へと導く求心力を有し、これまでに数多くの印象的な作品シリーズを制作・発表しています。

本展では、パソコンのCPUの機能を示す「pre-emptive multi-task(非協調的マルチタスク)」を比喩的なキーワードとして設定し、前期展の過去約20年間の作品と、後期展の新作シリーズの作品の双方に通底する、森村の作品制作・表現の傾向と今後の展開を探ることを狙いとします。

作品をシリーズ化していくための彼の思考方法には、材料と行為の選択や、私的な体験の抽出などに、作品へと発展させる彼なりの複数のフォーマットが垣間見られるように思います。それらの組み合わせの取捨選択や各々の要素の強弱がシリーズごとに設定・調整されることで、表現の多様性と一貫性が同時に担保されているのではという仮定において、彼の現在に至るまでの表現の全容を捉える機会になればと思います。

一方で、全ての作品シリーズを表層的に捉えると、時々彼の作品とは思えないようなイレギュラーな表現が現れています。その特徴が、後期展に発表する新シリーズ「PoSD」には明らかに見られることから、過去の作品の変遷を捉えながら最新作の発表を迎える、丁寧な鑑賞の過程を設けることが、もう一つの本展の狙いでもあります。

前期展では、2000年代半ばから昨年までに制作した作品約30点を公開し、後期展では、最新作「PoSD」シリーズの作品の発表を6点程度予定しています。森村の長年の制作活動の一貫性とその特異点がどこに見られるのか、多数の様々な作品と対峙して、みなさまと共に考える機会になれば幸いです。

《PoSD_001》2022 アクリル、キャンバス 18.0 x 14.0 x 3.5 cm【後期展出品予定作品】
《S.A.S.P : New York / Osaka 2012-07-23 to 10-09》2012-13 [部分、再構成]
ハガキ、切手、修正液、針、写真 サイズ可変【前期展出品予定作品】
《研究社 現代英和辞典[睡眠薬/笑い薬]》2005 英和辞典、瓶 【前期展出品予定作品】

 

2022-08-29
小松原 智史「ばける|きえる|うけいれる」 展示記録

撮影日:2022年7月14日 撮影:長谷川 朋也

 

2022-06-07
『芸術批評誌REAR』取扱開始のご案内

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ttkでは『芸術批評誌REAR』の取扱を始めました。
最新号のほか、現在は2016年以降のバックナンバーも取り扱っています。芳名帳の台周辺に置いていますので、お気軽にご覧いただいてご購入ください。
なお最新号では、昨年末の名古屋のギャラリーNでの加藤巧さんの個展レビューが、国立国際美術館の橋本梓さんの執筆で掲載されています。

『芸術批評誌REAR』の概要はこちら→http://2525kiyo.cocolog-nifty.com

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2022-05-28
小松原 智史「ばける|きえる|うけいれる」2022年5月28日(土)~7月10日(日)

・小松原智史「ばける|きえる|うけいれる」 展示記録

小松原 智史「ばける|きえる|うけいれる」
2022年5月28日(土)~7月10日(日)

休廊日:毎週月~水曜

開廊時間:12:00~19:00
会場:the three konohana

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このたびthe three konohanaでは、弊廊では3年半ぶりとなる小松原 智史(KOMATSUBARA Satoshi, b.1989)の個展を開催いたします。

近年の小松原は、奈良や滋賀、スペインでの滞在制作・発表のプログラムに精力的に参加してきました。屋内外を問わずあらゆる空間や環境に、自らの表現を寄り添うことのできる作品発表の方法を探ると同時に、異なる制作の環境に身を置くことで、理想的な制作環境を見出すことにも努めてきました。

2019年の年末、小松原はスペインのカタルーニャ地方へ2度目の滞在制作のために渡航しました。新型コロナウイルスのまん延が直撃した時期と重なりましたが、異国の地で活動が制限された環境下で作品制作に専念しながら、現地のギャラリーで日本人作家2名を招聘したグループ展を自ら企画するなど、有意義な経験を10か月にわたる滞在期間に積み重ねました。そして帰国後は「MIND TRAIL-奥大和 心のなかの美術館」に2年連続で参加し、初めての野外での作品発表をおこない、さらに昨年からは国内の生活と制作の拠点を奈良県東吉野村に移し、生活の中心に制作活動が自然と成り立つ環境を整えながら日々の制作をおこなっています。

この間、小松原の描く画面や制作の方法にも大きな変化が現れています。画面上の無意味な状況を持続した、墨をベースとしたモノクロームな絵画としての表現を続ける一方で、これまで展示会場で継続的に画面を描き加えていたライブドローイングの手法は必須では無くなりました。彼の描きから意味のあるモチーフが生成され、それを打ち消すようにさらに新たなモチーフを加えて描くといった堂々巡りな制作過程も、新たな描きの展開によって影をひそめるようになります。また、これまで線描をベースにしていた画面構成は、太い筆や刷毛から筆を使わないものまで、画面への描き、着色のバリエーションを広げる志向へ転換しています。主体的な画面の操作の現れであったこれまでの細い線描の表現から、彼の外にある要素やその作用を積極的に作品に取り込もうとする姿勢の現れとして、これらの変化は近年の活動や制作環境から彼の中に自然と反映されたもののように思います。

本展は、多数の絵画作品の集合体としての展示空間を構築し、小松原のいま現在の「絵画/画面」への向き合い、関心事を捉えることを狙いとします。個々の絵画としての画面に集約され、断片化されていくような本展の空間は、自らの描きで空間を主体的に埋め尽くすことで直接的に彼のテーマを表現していた従来よりも、鑑賞者にその判断や解釈を委ねられる環境になることでしょう。そして、これまでの様々な発表形態を経て、絵画を起点とした作品制作に立ち戻ろうとしている小松原の視点を、みなさまと共有できる機会になれば幸いです。

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小松原 智史《コマノエ》(部分) 2021-22年【出品予定作品】
墨、ジェッソ、和紙、石膏、膠、樹脂、パネル

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ジローナ(スペイン)での滞在制作の様子(2020年7月)

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「MATERIAL INCIDENT」展示風景(DUAL GALLERY、ジローナ・スペイン、2020年)

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「MIND TRAIL-奥大和 心のなかの美術館」展示風景(上・2020年/下・2021年、共に奈良県曽爾村)

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個展「巣をたてる」展示風景(2018年、the three konohana)

 

2022-03-29
オンラインストア オープンのご案内

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the  three konohana のオンラインストアを、ネットショッピングモール「BASE」内にオープンしました。
こちらでは取扱作家の小作品を中心に販売します。随時作品をアップしますので、ぜひご覧の上お求めください。

https://thethree.theshop.jp/

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2022-02-28
「Gallery Collection 2022」2022年3月5日(土)~27日(日)[*4月中は予約制]

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「Gallery Collection  2022」
2022年3月5日(土)~27日(日)(* 4月中は予約制)

出品作家:加賀城 健、加藤 巧、森村 誠

[定期オープン]
会期:2022年3月5日(土)~27日(日)
開廊時間:12時~19時(※3/18(金)は18時まで、3/20(日)は14時から)
休廊日:毎週月~木曜、3/25(金)

[予約制オープン]
会期:2022年4月中

※ 予約制オープン中にご来廊をご希望の方は、SNS(TwitterFacebookInstagram)のメッセージまたはメール(info(at)thethree.net)にて、ご希望の日時を明記の上、ご希望日の2日前までにご連絡ください。
※ 当方の都合により、ご希望の日時に添えない場合がございます。なにとぞご了承くださいませ。
※ なお、定期オープン中も休廊日および開廊時間外でもご覧いただける場合がございますので、お気軽にお問い合わせください。

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このたびthe three konohanaでは、3月5日(土)より「Gallery Collection 2022」を開催いたします。3月中は原則金曜~日曜に開廊し(一部休廊日があります)、4月中は予約制にてご覧いただけます。

昨年から今年にかけて弊廊の企画で個展を開催した加賀城 健、加藤 巧、森村 誠の3名の作品をご紹介いたします。当時の個展の出品作を中心に、未発表作やそれ以前の作品もあわせてご覧いただけます。
昨年から現在にかけてもコロナの影響などで、彼らの個展にどうしても足を運ぶことが叶わなかったという方も多くおられると思います。ぜひこの機会に、3名の作家の当時の発表の一端を一堂にお楽しみいただければ幸いです。

 

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加賀城 健《Transfer-dyeing (Sanctuary #3)》2022

レーヨン・ポリエステル混紡布、染料、木枠/糊防染、移し染 110.0 x 110.0 cm

 

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加藤 巧《Tanktop》 2021

顔料、漆喰、蜜蝋、乾性油、Jesmonite AC100、服、木材、アルミ材    58.5 x 43.0 cm

 

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森村 誠《a Book of OTW 3》 2021

地図、修正液、糸、布、紙、革 18.5 x 13.5 x 5.0 cm

 

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加賀城 健「Manipulation / Interchange」後期展 展示記録

撮影日:2022年1月26日 撮影:長谷川 朋也

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